社交不安障害という病気をご存知でしょうか。Social Anxiety Disorderから、SADとも、社会不安障害とか社交不安症とも呼ばれます。Social Phobia(社交恐怖)とも呼ばれることもあります。
人間は社会で行きていく生き物ですから、社会つまり誰かと関わる場面なしに生きていくことはできません。しかし、そのように誰かと関わる場面、特に初対面の人や重要な人物と話をする時や多くの人の注目を集める時には多くの人が不安感や緊張感を感じることでしょう。
いわゆる、「あがる」という体験です。
そのような場面で、例えば、他人からバカにされないだろうかとか、場に合っていないんじゃないかとか、誰かに辱められることに対して非常に強い不安を感じるために、社交状況を避けたり無理に耐えたりすることによって、耐えがたい苦痛(比較的多くみられるものは動悸、腹痛、発汗、パニック発作など)や重大な生活への支障をきたすもので、それを精神障害と捉えたものが社交不安障害です。
そんなただの「あがり症」と言ってしまいそうなものを、わざわざ疾患と捉えて薬で治すことができるんでしょうか? 今回はそれについて取り上げてみたいと思います。
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