厳冬の候、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
この記事は2017年1月号として掲載されるとのことですから、まずは2016年を振り返ってみましょうか。
この地域医療ジャーナルやいつも紹介しているエビデンスとは直接の関係のない話ですが、この1年は私たち薬剤師によるEBM(Evidence Based Medicine)のスタイルに則った学習や業務の実践にいよいよ火が着いた1年となったように思います。
薬剤師のジャーナルクラブJJCLIPとして、初めての書籍を出版することができました。
『薬剤師のための医学論文活用ガイド』
この本を手に、エビデンスに基づいた薬剤師業務というものを意識された薬剤師が多くなったのではないでしょうか。出版後に行われた6月のJJCLIPワークショップや7月のビール電車ワークショップ(それぞれ地域医療ジャーナル内での報告記事へリンクしてます)を通して、そのような実感を持ちました。また、一つ一つ挙げると漏れがありそうであえて挙げませんが、薬剤師が最新の医学論文のレビューについて発信するブログも多くなりましたね。きちんと科学的根拠に基づいた正しい情報を見つけ、それを批判的に吟味し、実現可能な形で適用していく、そしてそのそれぞれをもっと多くの薬剤師が適切に発信することができれば、きっと日本の医療は変わると思っています。
まあ、自分がそこまで関われるかは自信がありませんが、その一助となるべく、このたびNPO法人アヘッドマップという組織を作りました(webサイトは本稿執筆時点ではまだ準備中)。私たちは、EBMに目覚めた薬剤師と共にさらにこの輪を広げていきながら、一般市民の健康リテラシーの向上にも取り組んでいきたいと思っています。
2017年は、アヘッドマップを中心にしてそのような活動が、まるでさざ波のように広がっていく1年になればいいなと思っています。
さて、皆さんは2017年に何か新しく取り組んでみたいことはありますか?
私はそろそろダイエット頑張りたいですね(^^;)
実はちょうど1年前にはジムに通うことを思い立って時々筋トレに励んできたのですが、ガッツリ筋肉を鍛えると、飯は美味いわビールも進むわでかなりカロリーオーバーな食事になってしまいました。筋肉はかなり増えたけど体脂肪が……これは困った。という状況です。
しかし、体を動かす、運動をするというのはその時はしんどかったり苦しかったりしますが、適度な汗をかければ何となく気分は良くなるものです(私はそこまでではないんですが、爽快な気分になる人も多いですよね)。そういったことから、身体機能のリハビリ的な「運動療法」だけではなく、精神機能の改善や精神疾患の克服を目的にした運動療法というのも存在します。
では、そのような精神面へのアプローチとしての運動療法にエビデンスはあるのでしょうか? 今回はそれについていくつかの論文をレビューしてみたいと思います。
読者コメント