読者のみなさま、こんにちは。
「かぜひいたので、びしっとすぐに効く薬ください。」
このような希望は外来ではよく聞かれます。もしかすると薬局でも同じかもしれません。
こんな時には、解熱鎮痛薬の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることが多いでしょう。例えば、ロキソプロフェン(ロキソニン)やイブプロフェン(ブルフェン)などの薬です。
「昔は、よく注射をしてもらったものだ。」
このように、暗に注射を求められることもあります。この注射の中身もおそらくNSAIDsだったのでしょう。
ところが、これまで見てきた通り、かぜの治療にはあまりはっきりとした効果が証明されているものはありません。そして、副作用には十分な配慮が必要です。副作用が少ないとされるアセトアミノフェンでさえも、気になるデータがあることは、以前この連載でも指摘したところです。
それでは、かぜに対するNSAIDsの効果はどうでしょうか。今回はこの疑問について、整理しておきたいと思います。
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