地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2015年11月号 vol.1(9)

2013年6月の“ちょっと面白い”乳がん予防エントリーを振り返ってみた

2015年10月25日 22:17 by spitzibara
2015年10月25日 22:17 by spitzibara

 先月、10月号の記事を書く際の資料確認で自分のブログ内を検索していたら、ちょっと面白いエントリーに出くわしました。

 2013年6月26日の「乳がん"予防薬”を50万人の女性に5年間飲ませよう、と英NICE」

 英国のNICE(国立医療技術評価機構)がガイドラインを改訂して、NHS(国民保健サービス)の乳がん戦略を予防重視にシフトする予定、という報道は1月段階で出ており、それは既に紹介していたので、その続報エントリーとして書いたものです。

 その"予防薬”とはタモキシフェンとラロキシフェン。私は素人なので、ガーディアンの記事の説明を素直になぞると、どちらも抗エストロゲン剤で、前者は乳がんになった患者の再発を抑える薬、後者は更年期後の女性の骨粗しょう症の予防薬。乳がんリスクを30%~40%下げることが研究により明らかになっており、乳がんの予防薬としては米国では認可されているのに英国ではこの時点ではまだだと書かれています。NICEのガイドラインは、家族の病歴や乳がん遺伝子保有の有無などから、発症リスクが3/10の女性50万人にこれら"予防薬”をNHSで提案しましょう、発症リスクが1/6の女性にも検討しましょう、と提言している。なにしろ、どちらも安価な薬なので、乳がん患者の治療にかかる費用を考えればコスト・パフォーマンスが極めてよい。ざっと、そういう趣旨のニュースでした。

 記事冒頭では、アンジェリーナ・ジョリーさんとシャロン・オズボーンさんが遺伝子診断で高リスクと分かって両側乳房切除をやったことに触れて、以下のように書かれています。

 But for the many women who would not want to undergo surgery, especially if their own risk is quite as high as Jolie’s was, a daily pill is now an option.
(しかし手術まではしたくないという多くの女性、とりわけジョリーさんのように高リスクの女性にとっては、毎日薬を飲んで予防する方法が選択肢となった)


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