地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2016年01月号 vol.2(1)

10年後、100年後、医療とどう向き合うのか

2015年12月29日 13:03 by syuichiao
 
 
 10年後、そして100年後の医療。これはまた難しいテーマだ。それはあまり将来を見据えて行動したことがない、僕自身の性格によるのかもしれない。明日のことさえ分からない中で、どうすればもう少し成熟できるだろうか、そんな試行錯誤の毎日である。

 今回はいつもの連載とは違い、「ですます調」ではなく、「である調」で執筆させていただくことをご了承願いたい。

 今現在、特に医療の問題の中で重要な要素となっているのは"高齢化”ではないだろうか。内閣府の統計によれば、我が国の総人口は平成26年10月1日現在、1億2,708万人である。そして、65歳以上の高齢者人口は過去最高の3,300万人となっている。なんと総人口に占める65歳以上人口の割合は26.0%なのだ。さてこの人口統計は今後どのように推移するのだろうか。同じく内閣府の統計によれば、約50年後、平成72年には、2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になると予測されている。

 高齢化が進む中での懸念材料が医療財源だろう。国立社会保障・人口問題研究所「平成22年度社会保障費用統計」によれば、国民医療費は2008年度の34.8兆円から、2025年には52.3兆円、老人医療費も11.4兆円から、24.1兆円にまで増加する見通しであるという。

 「高齢化が医療費を増大させている」という短絡的な結論にもまた議論の余地があるかもしれない。ただ10年後、100年後の医療と言われて、まず頭に思い描くのが、こういった将来像ではないだろうか。もちろん。そんなことはない、という批判もあるかもしれない。

 医学、薬学分野はますます発展を遂げ、今現在では治癒不可能な疾患患者において、大幅な延命が期待できる治療法が開発されているという事もありうる。人は今よりもより長い時間をこの世界で過ごす。そんな未来が待っているかもしれない。医学、薬学の発展による、不治の病の克服。それは明るい将来の将来のようにも思える。

 さて、なかなか着地点が見えてこないが、10年後、100年後の医療を考えたときに、高齢化の問題や、医学、薬学の発展により得られる恩恵というのは、僕にはあまり本質的な問題ではないようにも思える。人はこの先、どのように医療と向き合えばよいのだろうか。10年後、100年後の医療について僕なりに考えてみたい。

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