随分、壮大なテーマである。私にとって「癒し」という言葉から連想するものは音楽であり、頭の中でアイスランドのポストロックバンド、Sigur Rosの音楽が流れ出し、ささやかな安らぎを与えてくれたのだが、「癒し」と聞いて思い浮かべるものは人それぞれであろう。
まず、「癒す」という言葉の定義を整理しておく必要がある。辞書を引くと、「病気や傷を治す」と説明されているが、「癒し」という言葉から連想するのは病気や怪我の治癒というより、ヒーリングという意味合いの「癒し」をイメージする方が多いのではないだろうか(healingももともとは治癒という意味だが)。癒し系という言葉がメディアで頻繁に流れた頃から、「癒す」という言葉は病気を治すというよりは、安らぎを与えるというニュアンスが強くなったと思われる。
そのような背景もあることから、ただ「病気を治す、傷を治す」だけでなく、「医療は安らぎを与えるのか」というより広い観点で考えてみたい。
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