新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年めでたく還暦を迎えた私には、記念すべき60代初回のお正月です。節目の年明けにふさわしく、今回は未来に展望が開ける明るい話題を選んでみました。それは――
クライオニクス!!
読者の皆さんは、聞いたこと、おありでしょうか?
私は昨年11月18日の英国のニュースを見るまで、見たことも聞いたこともありませんでした。とはいえ、そういう「名前」だということを知らなかっただけで、それが意味するものについては、たいていの人が「あぁ、そういえばどこかで見たな」というものなのですが。
11月18日のガーディアン紙記事のタイトルは「ガンで死んだ14歳少女、クライオニクスで冷凍保存してもらう権利を勝ち取る」。
その少女が裁判官に当てて書いた手紙の一節は以下です。
私は14歳です。死にたくないけど、自分が死ぬことは分かっています。クライオニクスの技術で保存してもらえば、何百年後かになるとしても、治療してもらって生き返らせてもらえる可能性があると思っています。…… 私は地下に埋められたくありません。生きたい、もっと長く生きたいです。将来、私のガンの治療法が見つかって目を覚まさせてもらえると思います。その可能性に賭けてみたい。これが私の望みです。
珍しい種類のガンにかかったロンドン在住の少女が死の1ヶ月前にインターネットで知り、最後の望みを託したいと望んだのが、クライオニクスでした。両親は少女が幼い頃に離婚しており、少女を育ててきた母親は望みをかなえてやろうと考え、長年娘に会うことすら叶わなかった父親は反対しました。病状が重かったために判事が病院に出向いて少女に会い、母親に決定権を認めることを少女の最善の利益と判断。少女は自分の遺体を冷凍保存してもらえることを知り、心安らかに亡くなったそうです。死後、英国で速やかに凍結され、その後、米国に運ばれてクライオニクス企業の冷凍保管室のタンクに収められたとのこと。
読者コメント