私が勤めている薬局は総合病院の処方せんを受け付けることが少なく、抗がん剤の処方せんを応需することがないのですが、がん治療(化学療法)を受けている患者さんが来局されることもあります。最近では、お薬手帳に病院で投与されている抗がん剤のレジメン(投与量・期間・手順などの治療計画) が手書きで記載されていたりと、情報の共有が行き届いていて、お薬手帳の活用により、その患者さんに関わるすべての医療者が他院での治療内容についても把握できるようになっているのです。
職場で抗がん剤の取り扱いがまったくないこともあり、私はがん領域の情報収集がまったく追いついていないのが現状なのですが、近年、免疫チェックポイント阻害薬の有用性が注目されていたりと目まぐるしく新しい情報が飛び交っている印象があります。 新薬開発が進んでいますが、私たちの身体を蝕む "がん"という病気は、日々進歩している医学の力をもってしても、制圧しきれていないというのが現状かもしれません。
がんによる症状だけでなく、抗がん剤の副作用も患者さんのQOL(生活の質)を低下させる原因となります。患者さんの苦しみを少しでも軽減するために、さまざまな副作用対策が検討されていますが、副作用を完全に制御するのは難しく、ときには副作用により治療変更を余儀なくされるケースもあるでしょうし、ある程度は副作用と付き合いながら化学療法を続けるというのが実情ではないでしょうか。
現職場に赴任してからがん患者さんと接することがほとんどないのですが、化学療法を行っている患者さんとのちょっとした対話の中で考えさせられた出来事がありましたのでご紹介致します。
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