地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2018年01月号 vol.4(1)

薬の飲み合わせ 第1回 「乳がん治療薬と抗うつ薬」

2017年12月21日 19:11 by ph_minimal
2017年12月21日 19:11 by ph_minimal

 読者の皆様、明けましておめでとうございます。

 今までは、その都度、テーマを決めて論考してまいりましたが、この2018年を節目に新連載ということで薬の飲み合わせについて取り上げていきたいと思います。
 
 この連載の目的はといいますと…、
 
患者さん「他の病院でもらった安定剤を飲んでいるんだけど、今日処方された薬と一緒に飲んでいいのかしら?」
私の頭の中:{安定剤か…ベンゾジアゼピン系の抗不安薬かな?でも抗うつ薬(パニック障害に使う場合とか)とか、気分安定化剤(バルプロ酸など)を安定剤と説明されている可能性もあるかもな…}
私「お薬の名前はわかりますか?」
患者さん「名前なんてわからないわ。お薬手帳?家に忘れてきちゃったわよ。」
私「他にお薬を飲んでいることを診察時に先生にお伝えしましたか?」
患者さん「そんなの聞かれてないから言ってないわ。ほら、白くて丸い錠剤よ。水色のシートの…。ここまで言えば薬剤師なんだからわかるでしょ!?」
私「……」
 (注;フィクションですが類似例はしばしば…)
 
 似たような事例を経験された方、いらっしゃいませんか?とくに珍しいことではない"薬局あるある"ではないかと思いますが、薬の組み合わせによっては思わぬ不利益を被る恐れもあります。患者さんも飲み合わせの良し悪しがあるということはなんとなくご理解いただいているように思うのですが、同じ効き目の薬であっても飲み合わせに問題がある薬とそうでない薬があることはあまり知られていないのではないでしょうか。
 
 薬の飲み合わせについては、薬剤師が担っていくべき分野ですよね。薬の飲み合わせってけっこうややこしいんだよ、ということが伝わるよう地道に情報発信していきたいと思っております。他の記者さんの記事との差別化も意識して立ち上げた新連載の記念すべき第1回の内容は、併用禁忌ではないけど、もしかしたら死亡リスクが増加するかもしれないことが示唆されている相互作用について取り上げたいと思います。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

薬の飲み合わせ 第7回「片頭痛の薬をもらいにきた患者さん」

2018年07月号 vol.4(7)

薬の飲み合わせ 第6回「肩凝りで整形外科を受診した患者さん」

2018年06月号 vol.4(6)

薬の飲み合わせ第5回「インフルエンザで来局した9歳男児」

2018年05月号 vol.4(5)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2023年3月号 vol.9(3)

「世界なんて簡単に変わるはずがない」 多くの人は疑いようのない事実だと考えてい…

2023年2月号 vol.9(2)

渦中にいると気づかないぐらい ささいな判断の違いが 後になって大きかったとわか…

2023年01月号 vol.9(1)

人らしさ それは人間が持つ、魅力的で神秘的なもの。 その聖域が 人工知能(AI…