読者のみなさん、こんにちは。
連載「かぜの研究」、いよいよ今回で30回目となります。いつまでやるんでしょうか。
さて、インフルエンザ流行期に入りました。とくに学童期の流行がはじまると同時に、あの書類を書く機会も増えてきます。
そう、「治癒証明書」です。
ちょうど時節柄もよく、この治癒証明書について少し書いてみたいと思います。かぜの研究というよりも、現場の問題とその対策といった内容になると思います。
インフルエンザは自然に治るはずなのに
インフルエンザの流行期には、「学校に提出しなければならないから」という理由で、治ったばかりのインフルエンザ患者が再び医療機関を訪れることになります。
忙しくなる流行期の外来診察室では、インフルエンザ発症時の診断だけではなく、順調に治癒しているか判断する「回復期の診察」も同時並行で行わなくてはならなくなります。
もちろん、この「回復期の診察」が重大な影響を及ぼす判断だというのならいざ知らず、インフルエンザは自然に治る病気、ほとんどの人は経過が良好で合併症なく治っています。
結果的に大きな流行が終息する時期になると、治癒証明書のために外来が忙しいという「不毛な」状況が繰り広げられることになるわけです。
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