地域医療ジャーナル

2018年02月号 vol.4(2)

「音楽療法でやってはいけないこと」とは?

2018年01月25日 20:10 by yumikosato

「音楽療法でやってはいけないことは何ですか?」という質問をよく受けます。この問いに答えるためには、まず音楽療法の原理についてお話しする必要があります。

 音楽療法とはわかりやすく言えば、音楽を使ってクライエント(対象者)のニーズに対応することです。言葉にすると簡単ですが、実際に行うのは容易なことではありません。

 私はこれまで、医療福祉従事者、クライエント、ご家族、音楽療法士などから、音楽療法に関するさまざまな不満を耳にしてきました。それらをまとめると、次のように言えると思います。

音楽療法士がクライエントのニーズに対応する代わりに、自分たちのアジェンダをクライエントに押しつけている。

 アジェンダとは「隠された意図」という意味で、ここではセラピスト自身のニーズや、思い込み、方針、信念などを指します。施設や病院側からのプレッシャーで、音楽療法士がそうせざるを得なくなっているケースもあるようです。また、本人が無意識で行っている場合もあるでしょう。

 いずれにしてもこれは大きな問題です。音楽療法士がクライエントのニーズに対応していない場合、セラピーの効果が出ないばかりか、倫理的な問題につながることもあるからです。

 この記事では3つの例を通じて、この問題について考えていきたいと思います。

実例 ① 音楽で元気にするのが音楽療法?

実例 ② 収入を確保するために、大人数で音楽療法をしてもいい?

実例 ③ 音楽療法に無理やり参加させるのは、誰のため?

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