飲み合わせの連載を開始して1クールが過ぎました。いつネタが尽きるかとヒヤヒヤしておりますが、1年は続けたいところですね。
さて、今回も実例を基にした症例をご用意しました。昔の話で記憶が曖昧なので、薬歴(薬局のカルテのようなもの)を引っ張り出して、過去の記憶を辿りましたが、覚えていない部分もありますね。過ぎ去りし時を求めて(※)、自宅のデスクの引き出しを開けて、その中に飛び込み、タイムマシンで過去を見に行こうかと思ったのですが、我が家には未来からやってきたネコ型ロボットはいませんので、薬歴の記録を基に再構築し、処方内容を一部加工してお届けしたいと思います。
(※『ドラゴンクエスト11 ~過ぎ去りし時を求めて~』を購入したいという欲求が高まりすぎて、つい、この言い回しを流用してしまいました。)
<仮想症例>
50歳 女性 Dさん
○○内科
Rp1:ロスバスタチン錠5mg 1錠 1日1回 朝食後
Rp2:グリメピリド錠1mg 2錠 1日1回 朝食後
Rp3:エンパグリフロジン錠10mg 1錠 1日1回 朝食後
Rp4:リラグルチド皮下注18mg 1日1回 朝 0.9mg皮下注射
Rp5:酸化マグネシウム錠330mg 3錠 1日3回毎食後
Rp6:サキサグリプチン錠5mg 1日1回 朝食後
(Rp6が初処方)
病歴:2型糖尿病、脂質異常症、便秘症
アレルギー歴:無し
副作用歴:低血糖(軽度、糖分摂取で改善)
他科受診:無し
併用薬:無し
生活習慣:飲酒喫煙無し
身長150cm、体重63kg(BMI28)
参考
ロスバスタチン(クレストール®):スタチン系の高コレステロール血症治療薬
グリメピリド(アマリール®):糖尿病治療薬(SU剤)
エンパグリフロジン(ジャディアンス®):糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)
リラグルチド(ビクトーザ®):糖尿病治療薬(GLP1作動薬)
酸化マグネシウム:緩下剤
サキサグリプチン(オングリザ®):糖尿病治療薬(DPP4阻害薬)
「血糖コントロールがあまり良くないため薬追加」とのことで、サキサグリプチンが追加。
これまでの推移は…、
1年前にHbA1c8.0%とコントロール不良にて、エンパグリフロジンが追加となりHbA1c7.2%に低下。その後、徐々にコントロールが悪くなり、本日の検査結果がHbA1c8.0%。
エンパグリフロジン追加以降は処方変更はありません。数値は改善傾向にあったものの、また上がってきてしまい…というケースです。BMIは28と肥満気味ですが、ジムに通っており、運動を習慣づけています。ただ、食生活まで細かく聴取できていません。実は食べてしまっているという可能性も…。
新規処方となったサキサグリプチンの薬剤情報を調べてみましょう。

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