地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2018年06月号 vol.4(6)

薬の飲み合わせ 第6回「肩凝りで整形外科を受診した患者さん」

2018年05月25日 16:38 by ph_minimal
 唐突ですが、肩が凝っていると感じたことはありますか?私は3年ほど前に、「頭が痛い!」という主訴で職場を離脱し、近隣の病院にかけこんだことがあるのですが、内科の先生が私の肩や首周りをマッサージ師のように揉みほぐしながら、「肩が凝っているねぇ~」とまさかの一言。私はまったく自覚していなかったので、「えっ!?ぼくは肩が凝っているのですか、先生!!?」とびっくりしたことがあります。私を担当してくれた先生が、なんとその総合病院の副院長だったので、私が緊張して全身がこわばっていただけなのでは!?とも思いましたが、本当に凝っていたのでしょうね。
 頭痛の診断名ははっきりと教えてもらえませんでしたが、筋肉をほぐす薬が処方されました。おそらく、緊張型頭痛(筋肉の緊張による頭痛)との診断だったのでしょう。心配していた頭痛に関しては、たいしたことないと判断されたのかあっさり済まされました。そして、血液検査の結果から、「その年頃じゃあ、イイものばっか食べてるんでしょう?」と先生から指摘されました。『ハッ!な、なぜ毎週のように焼肉三昧ってことがわかったんだ!?この先生は人の心が読めるのか…』と戦慄した私に向かって「コレステロールがちょっと高いよ。イイものばっか食べてるとこうなるんだよ。運動もしてないでしょ?」とズバズバと私の私生活を暴いていく先生…。血液検査恐るべし、ていうか副院長すげぇ!と感動する私…。処方された薬を飲みきる前に、私の頭痛は軽減し、副院長の診察は2回受けただけで通院終了となりました。
 
 その後も、数ヶ月に一度くらいのペースで頭が痛くなるのですが、そのたびに、「ああ、肩が凝っているのかなぁ」と副院長に診てもらったときのことを思い出します。私の肩をマッサージしてくれる心優しい石原さ○み似の彼女(もしくは石田ゆ○子似)が自宅で待ってくれていたら最高なのですが、残念ながら、家に帰れば真っ暗で誰もいないので、私の肩は硬いまま野放しとなっている次第です。
 
 そんなわけで、今回は肩凝りで受診した患者さんという設定で、仮想症例を用意しました。では、参りましょう。
 
 
 
40歳女性 Fさん
 
「最近、肩が痛くて…。市販のシップを使っても良くならないので受診したんです。肩がとても凝っているので筋肉をほぐす薬を飲むようにと説明を受けました」
 
処方内容〔○○整形外科〕
 
Rp1)チザニジン1mg(テルネリン®) 3錠 毎食後 服用
Rp2)ロキソプロフェン錠60mg(ロキソニン®) 1錠 肩の痛みが強いとき服用 1日3回まで
 
 チザニジンは筋弛緩作用、つまり筋肉の緊張を緩和して筋肉をほぐす作用のある薬ですので、Fさんが医師から受けた説明のとおりの処方内容となっています。ロキソプロフェンは痛みを抑える薬で、痛い時のみ服用する頓服薬として処方されています。
 
とくにアレルギー歴や副作用歴はなく、併用薬は以下のとおりです。
 
併用薬〔▲▲メンタルクリニック〕
・フルボキサミン(ルボックス®,デプロメール®)
・ブロチゾラム(レンドルミン®)
 
ブロチゾラムは眠剤で、不眠時のみ服用している模様です。フルボキサミンは抗うつ薬ですが、不安障害(※)にも用いられる薬で、Fさんは不安障害の治療のため服用中とのことでした。
 
※不安障害
精神疾患の中で不安を主症状とする疾患群をまとめた名称。パニック障害や強迫性障害(執拗に手を洗ってしまうなど)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが含まれる。
 
 整形外科で処方された薬と、メンタルクリニックで処方されている薬、どちらも互いに関与することのなさそうな薬ですが、この組み合わせは副作用のリスクが高まる懸念があります。
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