読者のみなさま、今月も最後までお読みいただき、ありがとうございます。今月号はいかがだったでしょうか。
わかりやすさの原点へ
今月号は「事実と意見のはざまで」としました。今月号からの新連載「ねこでも読める医学論文」、そして先月号からはじまった「医療情報を読み解くための国語ゼミ」。
地域医療編集室内での「地域医療ジャーナル運営チーム」での議論から、わかりやすさという原点回帰をめざした連載がはじまりました。
2018年7月号の巻頭にも書きましたが、
同じ言葉を使っていても、イメージするものはみなちがうものです。
それが、科学的記述のような客観性の高いものであっても、その解釈はちがってくるものです。今月の巻頭から。
論文も論文要約も論文を紹介する記事も
書いた時点で
そこには必ず意見が含まれていく
原著論文をよむと、記事との違いが浮き彫りになることがあります。所詮、論文を読んでも事実がわかるわけではなく、ひとつの意見(論点)が生まれるだけ。
客観的な記述などない、純粋な科学的記述などない。そう言われたほうが、すっきりするようにも思えます。
わかりやすくすることで、何が起きるのか。挑戦をつづけてみたいと思います。
ビジュアルに
この取り組みの延長線上に、ひとつのプロジェクトが立ち上がりました。Visual Abstruct プロジェクトです。
論文を図で説明するVisual Abstruct (VA) はひとつの流行となりつつあり、「ねこでも読める医学論文」でもひとつのVAを提案しています。医学論文を独自の提示のしかたでわかりやすく説明したい、という思いです。
外部のコミュニティとコラボしながら、VAプロジェクトを進めていきたいと思っております。今後の展開にご期待ください。
従来の価値観が変わるエビデンス
ぼくが今回の記事のなかで衝撃を受けたのは、「医療者特集 第10回:指導医が研修医と一緒に回診した方がエラーを減らせるでしょうか?」です。
これまで慣習としてやってきたことは、本当に意味があるのか。
医療現場から、いや、医学教育現場から変わらなければならない、指導医から変わらなければならない、ということが明らかになってきました。
新しいものを取り入れる、変化に対応できる力があるのか? 今、指導医のほうが問われています。
世界は変わりつつあるのです。
イベントのご案内
来る9月30日(日)、地域医療ジャーナル|地域医療編集室 主催のイベントを開催いたします。
主要テーマのひとつに設定している「医療×音楽」に関するイベントです。
パーソナルソング 高齢者に音楽を届けよう!
アメリカで始まった音楽による認知症ケアの取り組み「Music & Memory」。
その人にふさわしい楽曲(パーソナルソング)を聴くことによって、
過去の記憶がよみがえり、楽しさや喜びを取り戻す、といった事例が報告されています。
この取り組みを紹介したドキュメンタリー映画上映と意見交換会を開催いたします。
- 映画 「パーソナル・ソング」 上映会
- 意見交換会 「高齢者に音楽を届けるために」
映画や音楽をきっかけに、高齢者のケアについて一緒に考えてみませんか?
2018/9/30 (日) 13:30 ~ 16:30
都立多摩図書館 セミナールーム
東京都国分寺市泉町2丁目2−26
JR西国分寺駅から徒歩7分
自由席・前売 ¥500 Peatixにて発売いたします。
https://personalsong.peatix.com
主催 地域医療ジャーナル・地域医療編集室|NPO法人 エコロジーオンライン
協賛 株式会社 リブラン|武蔵国分寺公園クリニック
ぜひご参加を!
地域医療編集室とは
あらためて、地域医療編集室をご紹介しておきます。
2018年5月、地域医療ジャーナルは公式オンラインサロン「地域医療編集室」を開設いたしました。
ウェブマガジンによる情報発信から3年、さらに具体的な行動へ歩みを進めていきたいとの考えから、はじめることにしました。
エビデンスのやさしさと癒し手のあたたかさをもって医療を変えていこう、というコンセプトです。
医療をアップデートするための新しい取り組みを、一緒に学び、考え、実践していく人々が集まる場をつくりたいと思います。
参加には月額料金を設定させていただきますが、参加条件はありません。医療に従事していない方も大歓迎です。特に、医療におけるエビデンス・情報発信・音楽の活用のいずれかの分野に関心があり、楽しく積極的に参加できる方が適しています。
まるで近くにいるかのような親しさで、自然にオンライン上に交流の場(居場所)がつくれるようになっています。ぜひ、ご検討ください。
これからの医療を考える本格的医療コミュニティをつくりませんか?
https://camp-fire.jp/projects/view/76122
秋の企画特集
恒例の秋の特集のご案内です。テーマは「医療倫理とその教育」に決定しました!
なかなか責任の重いテーマですが、なんとか記者のみなさんの力をお借りしながら、がんばりたいと思います。
2018年10月号を目指して準備中です。ご期待ください。
読者登録、ツイッターフォローお願いします
おかげさまで、ひきつづき読者は過去最高数となり、順調に推移しております。記者のみなさん、Publishersさん、そして読者のみなさんの支えなくしては、ここまで来れませんでした。ありがとうございます!!
さらに質の高いウェブマガジンを目指して、挑戦をつづけたいと思います。これからも、ご支援よろしくお願いいたします。
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また、ツイッターも積極的に活用していきます。こちらもぜひフォローお願いします。
それではこのあたりで。また、来月号でお会いしましょう。
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