「◯◯さんが転倒しました!!」
まずは緊急性を確認!
意識レベルは?バイタルサインは?外傷や疼痛は?
頭部外傷はもちろん、頭蓋内病変(急性硬膜下/外血腫)や骨折(大腿骨などでは大量出血も起こり得る)の可能性は?
また、その判断の材料として、易出血状態であるかどうか(抗凝固薬の服薬等)、骨が脆くなっているかどうか(骨粗鬆症、悪性腫瘍の骨転移)も確認!
…と、この後も観察や治療は続きますが、患者さんが転倒すると色々なことをする必要があります。
後述しますが、転倒は患者個人への影響もさることながら、頻度も多いので世界中で大きな問題となっています。
だから、「どうしたら転倒を予防できるか?」ということに医療従事者は頭を悩ませるわけです。
そして、すべての医療従事者がそうですが、特に看護師や理学療法士は患者さんの転倒予防のために色々なことをします。
入院時や状態変化時、安静度が変更になったとき(例えば、「ベッド上から動いてはいけない状態」から「部屋のトイレを使う時だけならベッドから動いて良くなった時」など)、入院してから1週間後など様々なタイミングで転倒リスクを評価したり、必要であれば離床センサー(※1)を使ったり、ベッドの高さを一番低くしたり、転倒に影響しうる薬剤(睡眠薬など)の調整を医師・薬剤師に依頼したりとあの手この手でなんとか転倒を予防しようと協働するのです。
※1
本稿では転倒のリスクファクターや予防介入としてどのようなものが効果的なのかを検証したエビデンスについてまとめていきたいと思います。
【目次】
・転倒の影響とリスクファクター
・転倒予防戦略のエビデンス
読者コメント