はじめに
2019年のゴールデンウィークが10連休という噂を聞いたとき、そんなバカな!?と疑ったのですが、実現しましたね。そうは言っても医療機関によっては例年どおり4月30日~5月2日のうちのどこかは開けているところが多いのかなぁという印象ですがいかがでしょうか。
ねこ薬局もどうやら5月1日は開局しているようです。元号が令和に変わって初日の営業ってことで、システムのバグがないかどうか不安な1日って感じでしょうか…?では、参りましょう!
ねこでも読める医学論文 第9話「ボノプラザンのピロリ菌除菌効果」
みに丸「ボス!」
はかせ「なんだい?」
みに丸「世間はゴールデンウイークだそうですよ!10連休ですって!なのに、なぜぼくたちは薬局にいるのでしょうか。」
はかせ「さあ…。知らんよ、そんなことは。」
みに丸「あぁ…、ボスの目が死んでる。」
はかせ「平成も終わって令和元年…。レセコンの表記は切り替わってるかなぁ…。分包機の印字も平成から令和に切り替えないと…。ブツブツ」
みに丸「だめだこりゃ…。会話にならない…。なんかパソコン見ながらブツブツぼやいてる…。なんか、ボスは忙しそうだなぁ。連休で患者さんが来なくて、ぼくはヒマだから勉強でもするかな。そういや、この前、ピロリ菌の除菌薬の処方せんを持ってきた患者さんがいたなぁ。ボノプラザン(タケキャブ)入りの除菌薬セット(ボノサップ)が処方されてたけど、今の主流はPPI(プロトンポンプ阻害薬)じゃなくてボノプラザンなのかなぁ。」
*PPI(プロトンポンプ阻害薬):胃酸分泌を抑制し、消化性潰瘍、逆流性食道炎、ピロリ菌除菌などに用いられる。
ボノプラザン:PPIなどの従来の薬とは異なる作用機序を有するカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(略:P-CAB)と呼ばれる胃酸分泌抑制薬。
みに丸「たしか、ピロリ菌の除菌にはボノプラザンのほうが有効って話を聞いたことがあるような気がするぞ。」
はかせ「ピロリ菌がどうしたって?」
みに丸「うわっ。急に話しかけないで下さいよ。パソコンとか分包機の設定はもういいのですか?」
はかせ「知らん!連休中に元号が変わるなんて、こんなことがあっていいのだろうか」
みに丸「そんなことがあってもいいんですよ。パソコンが苦手なボスがいけないんでしょ。」
はかせ「なんだと!こいつめっ」
みに丸「いたいいたい!暴力反対!ぼくの勉強を邪魔しないでください」
はかせ「あっ、そうだった…。ピロリ菌の話だったね。そういや、この前、納入したなぁ。ボブサップだっけ?」
みに丸「ネタが古いなぁ…。それはK-1に出てた格闘家でしょ。ボブサップじゃなくてボノサップですよ。たしか、除菌率がいいんですよね。」
はかせ「そうみたいだね。」
みに丸「論文はあるんですか?」
はかせ「あるよ。国内第3相試験の論文だね[1]」
みに丸「じゃあ、さっそく見てみましょう!ボス、図解の用意を!」
はかせ「はいよ。」
文献[1]を基に作成
ここからは論文を手元に置いて、ねこ薬剤師たちと一緒にお楽しみ頂ければと思います。
対象論文はこちらです。
上記ページの右上のPDFというマークをクリックすればPDFファイルをダウンロードできます。
[1]Murakami K, Sakurai Y, Shiino M, Funao N, Nishimura A, Asaka M. Vonoprazan, a novel potassium-competitive acid blocker, as a component of first-line and second-line triple therapy for Helicobacter pylori eradication: a phase III, randomised, double-blind study. Gut. 2016;65(9):1439-46.PMID:26935876
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