① 米国ニュージャージー州で医師幇助自殺合法化決定1)
3月25日に法案が議会を通過し、4月12日に知事が署名して法律となりました。施行は8月1日とのこと。
これにより、米国で医師幇助自殺を合法化しているのは、オレゴン州、ワシントン州、モンタナ州(ただし最高裁の判決によるもので、法律があるわけではありません)、バーモント州、コロラド州、カリフォルニア州、ワシントンDC、ハワイ州、ニュージャージー州の9か所となりました。
② 英国王立内科医学会、医師幇助自殺へのスタンスを反対から中立へ変更2)
英国王立内科医学会は医師幇助自殺合法化について会員7000人によるオンライン投票を行い、その結果を受けて3月に、これまでの反対の公式スタンスを中立に変更しました。
しかし設問の曖昧さや、投票前から賛成反対のいずれかが60%に満たなければスタンスを中立に変更するとの方針が出ていたこと、実際の調査結果で43%もが反対(賛成は31%)と答えていたこと、投票前に合法化ロビーによる苛烈なロビー活動があったことなどへの批判が相次ぎ、スタンス変更後にも一部の医師らから批判や提訴の動きが続いています。同学会の生命倫理委員会の委員長は抗議の辞職。
③ 豪ヴィクトリア州のVAD法ではナビ・システム&モバイル薬局制3)
2017年11月に決定したヴィクトリア州のVoluntary Assisted Dying(VAD)の合法化法は今年6月19日に施行となりますが、毒物の輸入、保管、準備、配達、さらに未使用の毒物の回収と管理までを、州政府直轄でAlfred病院の薬局が一元的に担う制度となっています。また、VADを希望する患者とVADプログラムに参加する医療関係者それぞれへのサポートとマッチングも、Peter McCallum がんセンターでナビゲーターらが担うとのこと。
実施プロセスがこのように一元化されることの利点もあるように思いますが、同時にオランダで自己完結型の終末期クリニック(申請から医師による審査などのプロセスを担い、医師と看護師の起動安楽死チームを国内どこにでも派遣)がオープンして以来、安楽死者数が急増していることも頭に浮かびます。
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