今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。いかがだったでしょうか。
ぜひとも、ご意見は読者コミュニティやツイッター(ハッシュタグ #地域医療ジャーナル )にお寄せください。
小さな世界から外につながる
今回の編集後記は記事からちょっと離れて、オンラインコミュニティでの活動から最近ぼくが感じていることを書いておこうと思います。
地域医療編集室のコンセプトは「やさしさとあたたかさを」。エビデンスを追求すると医療はもっとやさしくなれる、医療にあたたかな癒し手としての役割を、というコンセプトで2018年4月から活動してきました。
医療という「閉鎖的で小さな世界」は、残念ながらいまだ地域や世の中の「外部世界」とはうまくつながることはできていないように思います。外部世界へつなげるための「接続ツール」として、いろいろな方法を試みてきました。具体例を挙げてみましょう。
- コトバ(記事、ブログやツイッターなどを含む)
- ビジュアル(図解など)
- わかりやすさ・親切さ
- デザイン
- フィクション
- 音楽
- アート
- ストーリー・ナラティブ
- 映画・ムービー
- ダイアローグ など
議論だけで進展しなかったもの、臨床現場に取り入れてみたもの、日常業務に運用できているものなど、段階はいろいろです。
表現の方法については、こんど主催するトークイベント「表現としての医療・健康情報—情報をデザインし発信するということ」でしっかりと取り扱いたいと思っています。現在もいろいろと試行錯誤の途上にあります。
この「接続ツール」のひとつとして、ダイアローグ(対話)が使えるかもしれない。そう感じたのはつい最近のことです。
外部世界とうまくつながれないのは、医療者が作り上げた世界や文脈から抜け出せないからではないか。つまり、「小さな世界」の内側から、それも小さな窓からしか外を眺めることができていないからではないか。これまでのぼくの経験や研究知見から、そう考えるようになっていました。
今、医療者が立っている小さな世界、ここから抜け出すためのキーワードは「共生社会」や「オープンダイアローグ」のコンセプトではないかと直感しています。
たとえば、何か課題を見つけて解決しようとしない、ヒーロー(専門家)がひとりで解決するのではなく、当事者みんなが少しずつ関わりながら前進する、ひとりひとりの声をよく聞く、といったことでしょうか。「小さな世界」の専門家からの発信、つまり医療や健康だけに目が向いてしまうと、いつまでも新たな視点は生まれないように思います。
地域医療編集室の傘下サロンとして活動している「にしこく編集室」では、新しいプロジェクトが動き出しました。医療や健康の世界からなるべく遠ざかってみよう、ただコーヒーをのみながら対話することを目的としてみよう。そんなコンセプトを当初から掲げて、はじめてみたいと思っています。
詳細については、いずれここでもご紹介することになるでしょう。
乞うご期待!
来月号は企画特集「これからの医療・健康情報におけるキーワード」
秋の企画特集、いよいよ来月号の予定です。テーマは「これからの医療・健康情報におけるキーワード」です。
医療情報の真偽が話題になることも多くなっています。本誌がこれまで追求してきた中心テーマである医療情報について、多様な立場からの論考を集めたいと考えております。
トークイベントから企画特集への一連の流れを通して、あらためて情報発信のあり方を見つめ直すことができれば、と思います。
ぜひとも、読者登録をお願いいたします。
新企画「#エビダス」募集中
2019年5月号から掲載がはじまった新企画「#エビダス」。ツイッターなどでエントリーされた疑問を、地域医療編集室「#エビダス」編集チーム がお答えいたします。
疑問のエントリーを募集しております。読者のみなさまも、ぜひどうぞ。
このようなお悩み、ありませんか?
— 地域医療ジャーナル (@cmj_2015) March 31, 2019
■病院や薬局で質問できなかった
■疑問に思って調べたけど答えが見つからない
■調べる時間がないので代わりに調べて欲しい
など
ご相談内容をハッシュタグ #エビダス をつけてつぶやいてください。 https://t.co/5ZXSAzRPWj
これから順次活動を広げながら、持続可能な企画へ育てていきたいと思っております。ぜひとも、情報発信や参加などでご協力ください!
詳しくはこちらをどうぞ。
地域医療編集室、メンバー募集中!
2018年5月、地域医療ジャーナルは公式オンラインサロン「地域医療編集室」を開設いたしました。
「エビデンスのやさしさと癒し手のあたたかさ」をもって医療を変えていこう、というコンセプトです。
医療をアップデートするための新しい取り組みを、一緒に学び、考え、実践していく人々が集まる場をつくっていきたいと思います。
参加には月額料金を設定させていただきますが、参加資格要件はありません。医療に従事していない方も大歓迎です。
特に、医療におけるエビデンス・情報発信・音楽の活用のいずれかの分野に関心があり、楽しく積極的に参加できる方が適しています。
ぜひ、ご検討ください!
それでは、今月はこのあたりで。
また来月、お会いしましょう。
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