地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2019年10月号 vol.5(10)

根拠の性質と「有る無しの次元」からの脱却

2019年09月28日 01:54 by kangosyoku_no_ebm
 インターネットが普及した現代において医療情報は飽和状態とも言えるような状況です。
 
 また、医学の発展に伴って医学知識の絶対量の増加速度もどんどん早くなっているので、それも後押ししているものと思われます
 
 ある研究[1]では医学知識が倍増するのにかかる時間を推算しており、その結果、1950年での医学知識の倍増時間は50年であったと推算されていたのが、1980年では7年、2010年では3.5年、2020年では73日と推算されています。
 
 試しに「発熱 AND 看護」とGoogleで検索すると1290万件もヒットします(2019年8月28日時点)。
 
 学会が発表しているものもあれば、看護師向け掲示板や個人のブログなど様々な情報がヒットします。
 
 簡単に様々な情報にアクセスできるのはとても大きなメリットであると言えるでしょう。
 
 アメリカのミズーリ大学の看護学部と図書館が提携して開催されたワークショップ(n=178)では参加者(看護師)の69%がGoogleを用いて情報検索していることが示されました[2]。
 
 また、アメリカの看護師760人を対象とした研究では、PubMedなどの文献データベースよりもGoogleなどのインターネットを使用する方が自信があると回答していました[3]。
 
 「ググる(=Googleで検索すること)」という言葉が生まれて久しいですが、看護師を含めた多くの人が「ググる」ようになり、「ググれ」ばある程度のことは分かるようにもなってきました。
 
 しかし、すぐに誰でも情報発信できる時代であるが故に、情報の質もかなりばらつきが大きいのも事実です。
 
 そして、その良し悪しを見極めるのは意外と難しくもあります。
 
 本稿では看護における根拠とその性質、そしてその先について改めてまとめてみたいと思います。
 
 
【参考文献】
[1]Densen P.Challenges and opportunities facing medical education. Trans Am Clin Climatol Assoc. 2011;122:48-58.[PMID:21686208]
[2]Miller LC, et al.Beyond google: finding and evaluating web-based information for community-based nursing practice. Int J Nurs Educ Scholarsh. 2010;7:Article31.[PMID:20812913] 
[3]Pravikoff DS, et al.Readiness of U.S. nurses for evidence-based practice. Am J Nurs. 2005 Sep;105(9):40-51; quiz 52.[PMID:16138038]
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

[特別寄稿] デザイン・コンパス ― 医療情報を「伝える」から「伝わる」にする技術

2019年10月号 vol.5(10)

”フレーミング効果”と”ナッジ”をめぐる倫理的問題

2019年10月号 vol.5(10)

ライブラリアンによるないないづくしのEBM 第6回: 俯瞰と普遍と不可知

2019年10月号 vol.5(10)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2019年09月号 vol.5(9)

世界を広くとらえるには どんな方法があるのだろう 自分たちの世界を知ってほ...

2019年08月号 vol.5(8)

いよいよ、夏到来。 梅雨空の下では待ち遠しかったはずの暑さも、 今では季節...

2019年07月号 vol.5(7)

何かを突きつけられるような感覚について。 危うさのない居場所に安住すること...