インターネットが普及した現代において医療情報は飽和状態とも言えるような状況です。
また、医学の発展に伴って医学知識の絶対量の増加速度もどんどん早くなっているので、それも後押ししているものと思われます
ある研究[1]では医学知識が倍増するのにかかる時間を推算しており、その結果、1950年での医学知識の倍増時間は50年であったと推算されていたのが、1980年では7年、2010年では3.5年、2020年では73日と推算されています。
試しに「発熱 AND 看護」とGoogleで検索すると1290万件もヒットします(2019年8月28日時点)。
学会が発表しているものもあれば、看護師向け掲示板や個人のブログなど様々な情報がヒットします。
簡単に様々な情報にアクセスできるのはとても大きなメリットであると言えるでしょう。
アメリカのミズーリ大学の看護学部と図書館が提携して開催されたワークショップ(n=178)では参加者(看護師)の69%がGoogleを用いて情報検索していることが示されました[2]。
また、アメリカの看護師760人を対象とした研究では、PubMedなどの文献データベースよりもGoogleなどのインターネットを使用する方が自信があると回答していました[3]。
「ググる(=Googleで検索すること)」という言葉が生まれて久しいですが、看護師を含めた多くの人が「ググる」ようになり、「ググれ」ばある程度のことは分かるようにもなってきました。
しかし、すぐに誰でも情報発信できる時代であるが故に、情報の質もかなりばらつきが大きいのも事実です。
そして、その良し悪しを見極めるのは意外と難しくもあります。
本稿では看護における根拠とその性質、そしてその先について改めてまとめてみたいと思います。
【参考文献】
[1]Densen P.Challenges and opportunities facing medical education. Trans Am Clin Climatol Assoc. 2011;122:48-58.[PMID:21686208]
[2]Miller LC, et al.Beyond google: finding and evaluating web-based information for community-based nursing practice. Int J Nurs Educ Scholarsh. 2010;7:Article31.[PMID:20812913]
[3]Pravikoff DS, et al.Readiness of U.S. nurses for evidence-based practice. Am J Nurs. 2005 Sep;105(9):40-51; quiz 52.[PMID:16138038]
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