地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2019年10月号 vol.5(10)

ねこでも読める医学論文 番外編「ねこと考える健康情報」

2019年09月28日 01:02 by ph_minimal

はじめに

 

「えっ!!?」

 さて、私はなぜ声を上げたのでしょうか?

①使用量の多い薬の在庫がスッカラカン(急配だ!)

②残業を終えて、さあ帰ろう!と薬局を出たら、外は大雨…(傘がない!)

③ミステリー小説を読んでいて、思いもよらない人物が真犯人だった(だまされた!)

④原稿を地域医療ジャーナルにアップしようとしたら10月号は企画特集号だった(忘れてた!)

 はい、正解は④です。意気揚々と「ねこ読め14話」を書き上げ、アップしようとしたら、10月号は「これからの医療・健康情報におけるキーワード」をテーマとした企画特集号という文字が私の目に飛び込んできたのです。 

 冷や汗をぬぐった私は企画のテーマをじーっと見つめながら、お菓子を食べました(現実逃避)。最近、お菓子を食べまくっているけど、これは健康に良くないことなのかなぁ?などと考えながらバリバリとボテトチップスを噛み砕きました。 

「そもそも、健康って何?」

 そんな疑問が浮かんだところで、ねこ薬局の薬剤師たちに丸投げして、健康情報との向き合い方について語ってもらおうと思います!

 

ねこでも読める医学論文 番外編「ねこと考える健康情報」

 

 

みに丸「ねえねえ、ボス~。健康ってなんですかね?」

はかせ「急にどうしたんだい?」

みに丸「いや、健康サポート薬局っていう制度がありますけど、そもそも健康ってなんだろうなと思って」

※健康サポート薬局
平成28年4月1日からスタートした厚生労働大臣が定める一定基準を満たしている薬局。
かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加えて、市販薬や健康食品に関することはもちろん、介護や食事・栄養摂取に関することまで気軽に相談できる薬局のこと1)

はかせ「健康ねぇ…。たしかWHOが定めていたよね」

みに丸「おっ、それは学校で習った気がするぞ。ググってみよう」

WHO(世界保健機関)の定義
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」2)

みに丸「こ、これは…」

はかせ「うむ…。そんな人は実在するのだろうか…?と思ってしまうくらいハードルが高い」

みに丸「ですねぇ。ひとつ言えるのは病気の有無だけじゃないってことですね。たとえば、イジメにあって悩んでいる人は健康とは言えないってことかな。上司のパワハラに悩んでいる新人も健康ではないと。ぼくのように…(小声)」

はかせ「生意気な新人に悩まされている上司も健康とは言えないなぁ。私のように…」

みに丸「誰が生意気なんですか!」

はかせ「それが、『上司のパワハラに悩んでいる新人』の態度か!?」

みに丸「ボスはいちいち余計なひと言が多いんですよ!」

はかせ「それはこっちのセリフだよ。きみは余計なひと言どころか、余計なことばかり…」

みに丸「ところで、健康に関する情報っていろいろあるじゃないですか。ねこ薬局が健康サポート薬局として認められるには、そのような健康に関する情報についてのフォローもしていく必要があるってことですよね。たとえば、テレビでおかしな健康情報が流れたときに、適切な情報に基づいてアドバイスができなくちゃいけない」

はかせ「急に真面目モードだなぁ。たしかに、そのとおりだ」

みに丸「そうなると、やっぱりエビデンス(科学的根拠)の吟味が大事なんじゃないかって…」

はかせ「最初は英語の論文なんて読みたくない!て大騒ぎだったのに。きみの口からそんな言葉が出るなんて嬉しいよ」

みに丸「ただ、一般の人たちには情報を吟味するのって難しいと思うんですよね。そこで、患者さんたちが健康に関する情報を活用するにあたって、一般論として気をつけるポイントってあるんでしょうか?」

はかせ「ああ、なるほど。『新聞に書いてあることは正しい』とか、『テレビで紹介されている医療情報は正しい』って思っている人は多いだろうね。でも、その基準で判断していいのかについては議論の余地がありそうだ。とくに、バラエティ番組とかの『実は怖い△△!!』とか『最先端の〇〇療法!』みたいなのはちょっと冷静にとらえてもらった方がいいかもね」

みに丸「そうですね。もちろん、とても勉強になるテレビ番組もありますけど、テレビでやってるから正しいとは限らないですよね。スタンダードからかけ離れている場合もありそうです。でも、一般の方々が適切な情報かどうか判断するのは難しいと思うんですよ。そこで、ボスの意見を聞いてみたいなと」

はかせ「それはおもしろそうなテーマだな。早速、議論してみようじゃないか」

 

参考文献
1)日本薬剤師会「健康サポート薬局とは?」
https://www.nichiyaku.or.jp/kakaritsuke/support_pharmacy.html
2)日本WHO協会
https://www.japan-who.or.jp/commodity/kenko.html

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

[特別寄稿] デザイン・コンパス ― 医療情報を「伝える」から「伝わる」にする技術

2019年10月号 vol.5(10)

”フレーミング効果”と”ナッジ”をめぐる倫理的問題

2019年10月号 vol.5(10)

ライブラリアンによるないないづくしのEBM 第6回: 俯瞰と普遍と不可知

2019年10月号 vol.5(10)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2019年09月号 vol.5(9)

世界を広くとらえるには どんな方法があるのだろう 自分たちの世界を知ってほ...

2019年08月号 vol.5(8)

いよいよ、夏到来。 梅雨空の下では待ち遠しかったはずの暑さも、 今では季節...

2019年07月号 vol.5(7)

何かを突きつけられるような感覚について。 危うさのない居場所に安住すること...