今回から新しいテーマでの連載になります。
医療の現場では毎日様々な感染管理が行われています。
そして感染管理には、スタッフ一個人からすると「これって本当に意味あるの?」と思うことや「これって本当にこれでいいの?」と感じることが結構有るように思います。
「白衣のポケットにものを入れちゃだめなの?」「指輪って勤務中は外したほうが良いの?」「電子カルテのキーボードって汚いの?」「皮下注射の前の消毒って本当に効果あるの?」
そんな感染管理における、「これってどうなの?」というもの、特に教科書などであまり解説されないような”脇道のエビデンス”についてまとめていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
さて、読者の皆さまは「駆血帯」というものをご存知でしょうか?
健康診断などで採血をされた時、太いひものようなもので腕を縛られた事があると思いますが、この太いひものようなものを「駆血帯」と呼びます。
この駆血帯は主に採血をする時や注射・点滴をする時に用いられるのですが、簡単に言うと腕を縛ることで血液の流れを止めて血管を怒張させることを目的とした医療機器になります。
採血や注射は全国の施設で毎日行われている医療行為なのでその度に駆血帯が用いられていますね。
しかし、駆血帯は使い捨てではなく再利用されていることが多いのが現状です。
つまり、Aさんの採血をしたあとに、Bさんに注射をする、ということが日常的に行われているということです。
要は色々な患者に何度も使用する駆血帯には色々な菌が付着している可能性があるので、菌が伝播する危険性が十分に考えられます。
本稿では、駆血帯に関するエビデンスをまとめていきたいと思います。
読者コメント