読者のみなさま、いつもご愛読ありがとうございます。そして、今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
充実した連載記事のラインナップで、今月号も発行することができました。記者のみなさま、ありがとうございます。
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祈るしかない世の中に
今月号のタイトル「祈るしかない世の中に」は、記事の一文が発端となっています。
生まれてから一度も笑顔になったことのない、重い障害のある人が、舌鼓でうれしさを表現し、親がそれを喜んでいるという。舌鼓が笑顔の瞬間だ、というエピソードです。
生きるに値するだのしないだのと、世の中がどんどん荒んでいくので、この笑顔を奪われそうで、命が脅かされそうで、気が気ではないのですが、この人たちがそれぞれの笑顔を失うことなく、安心してそれぞれの力を発揮しながら、幸せに暮らせる世界がどうぞ守られますように。日々、もう祈るような思いです。
「重い障害のある人の親の立場で考える・子どもをデザインする親たち~Designing Parents, Shaping Parents~」
横浜地裁で相模原障害者殺傷事件の公判がはじまり、2016年7月26日に起きた凄惨な事件があらためて思い出されます。
さらによいものを求めるのではなく、ささやかな変化を喜べるような世界にならないでしょうか。
荒んだ世の中では、もう祈るしかない。
そんな絶望にどう向き合っていくべきか、これからも考えていきたい、という気持ちです。
正しい情報は実存しない
さて、嬉しいニュースをひとつ。
本誌連載記事から初めて単行本が生まれました! 著者の青島さん、金芳堂のみなさま、ありがとうございました!
詳細はこちらをご覧ください。
医療情報を見る、医療情報から見る エビデンスと向き合うための10のスキル
株式会社 金芳堂
この出版を記念して、読者プレゼント企画を実施中です。
応募の詳細は、下記のニュースリリースまたは本誌記事をご覧ください。
この序文を引用させていただきます。
情報が人の行動に影響を与えるのならば、情報は常に正しい情報でなくてはならないという直観があります。偽の情報に惑わされることに有益性は少ないでしょう。
とはいえ、どのような情報が正しい情報と呼べるものなのでしょうか。
情報の良し悪しを評価することは、その分野の専門家であれば容易なことなのかもしれません。しかし、どれだけ質の高い情報があったとしても、その情報を解釈するのが人である限り、客観的、あるいは普遍的に「正しい情報」はこの世界には実在しない、そんなふうにさえ思います。
この本を通じて、医療情報についての見識を深めたいと思います。出版記念イベントを地域医療編集室で計画していますので、詳報ご期待ください。
情報は人の判断を迷わせる
正しい情報とは何か、考えさせられるできごとが今、世界を揺るがしています。
中国 湖北省 武漢市から発生した新型コロナウイルスによる肺炎、徐々に国内でも発症が報告されています。(発行日現在)
連日、新聞やテレビによる報道がなされ、ネットやSNSなどから大量の情報が流れてきています。
まるで「迫りくる恐怖」の様相。情報が錯綜し、何が起こっているのか現状把握さえ難しくなっているようです。
情報が少なかった時代、「情報は多いほうがいい」とたくさんの情報が求められました。
情報が多くなってからは、「どれが正しい情報なのか」と正しい情報が求められるようになっていきます。
そして今、どこかにあると仮定された「普遍的に正しい情報」を探し求める姿勢がさらにエスカレートし、どこか危うさを感じます。
情報は人の判断を迷わせる。ただそれだけのことかもしれません。
祈るしかない世の中に、敢えて情報の喧騒から少し距離を置いてみることも、これからの時代には必要なのかもしれません。
地域医療編集室、メンバー募集中
「地域医療編集室」では、イベント企画等に参画したい方を募集しております。「エビデンスのやさしさと、癒し手のあたたかさ」をもって医療を変えていこう、というコンセプトです。まだまだ小さな活動ですが、メンバーで意見交換しながら、ひとつひとつ構想を実現させていきたいと考えております。
参加には月額料金を設定させていただきますが、参加資格要件はありません。医療に従事していない方も大歓迎です。
特に、医療における「エビデンス・情報発信・芸術」の活用、のいずれかの分野に関心があり、楽しく積極的に参加できる方が適しています。
ぜひ、ご検討ください! 詳細はこちら。
動画投稿も募集中
長くて硬い文章ではなく、短くわかりやすい情報発信を。この延長線上に動画があります。学術論文でも動画のほうが有用であったり、伝えやすい情報があると思います。
学術動画媒体としての新機軸を目指して準備したいと思います。イベント告知、報告のほか、記者投稿も歓迎いたします。
それでは、今月はこのあたりで。また来月、お会いしましょう。
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