2月の初め、夫婦である映画を観にいきました。その最後のあたりに、現在さまざまに隠微な形で拡がる優生思想をあまりにあからさまに表現するセリフが登場して、ぎょっとしました。具体的な言葉は忘れてしまいましたが、だいたい以下のような内容でした(どの映画かお分かりになるかもしれません。ネタバレ恐縮ですが、まぁどなたにも想定の範囲とは思います)
誰も正面から認めようとはしないが、日本はとっくに崩壊している。働ける人間は人口の半分にも満たない。残りは役に立たない連中ばかり。これでは経済が立ち行かない。この状況を是正するためには、生きるに値しない人間どもには死んでもらうしかない。それ以外に問題の解決策はないのだ。
私にはその人の姿が現在公判中の相模原障害者殺傷事件の植松聖被告と重なりました。その植松聖、裁判での言動を報道で読むにつけ、私には以前より感じていた「社会の意思を投影されて代行した人」という印象が深まります。
19年11月号から3か月間連載をお休みしましたが、当たり前のことながら安楽死と医師幇助自殺の周辺でも世界はもちろん動き続けており、懸念されるニュースはspitzibaraもブックマークだけはしていました。この度それらをざっと振り返ってみると、昨年5月号の「世界の安楽死と医師幇助自殺の潮流 3」と10月号の「世界の安楽死と医師幇助自殺の潮流 4」で紹介した話題の続報と言ってもよいようなラインアップとなっていました。
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