地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2020年11月号 vol.6(11)

ねこでも読める医学論文 第26話「子どもの屋外活動を増やすことで近視を予防できる?」

2020年10月29日 09:55 by ph_minimal

 はじめに

 コロナが収束しませんね…。私は自宅と職場を往復するだけの日々が続いていますが、子どもたちの生活はどのように変化したのでしょうね。緊急事態宣言がでたときはみんな自宅にいる時間が増えて外にいる時間が減ったと思うのですが、緊急事態宣言の解除後も自宅(屋内)にいる時間が増えて、外で遊ぶ(屋外)時間は減ったのでしょうか!?引きこもってゲーム三昧で目が悪くなったりして…。

大自然で遊んだほうが目にいいよ!(近眼にならない)みたいな話を耳にすることもありますが、ぼんやりと抱いていたこの疑問の答えになりそうな論文が、地域医療ジャーナルで連載している青島周一氏の著書[1]で取り上げられていました!子供たちの屋外活動を増やすことで、近視の発生を減らせるかどうかを調べた研究ですね。今回はこの論文を読んでみたいと思います!

 

[1]青島周一「デマ情報にもう負けない! おもしろ医学論文イッキ読み」ライフサイエンス出版2020年

 

ねこでも読める医学論文 第26話「子どもの屋外活動を増やすことで近視を予防できる?」

 

みに丸「あー、目が痛えぇ。疲れ目だ~」

はかせ「ほう、大丈夫かい?勉強もほどほどにな」

みに丸「勉強なんてしてないですよ。ニャンテンドーDSでネコクエ(※)を一日中やってたら、目が疲れてしまって…。ああ、ぼくの目がァ!」

※ネコクエ:ねこ族のあいだで人気のロールプレイングゲーム「ドラネコクエスト」の略

 

はかせ「あ、そう。心配して損したよ」

みに丸「まあ、たまにはいいじゃないですか。ぼくだって四六時中、魔王と戦っているわけじゃないんですから…。ところでボスはメガネをしてますけど、目が悪いのはゲームのやりすぎですか?」

はかせ「うーん。そりゃ子どものころはネコクエとかやってたけど…、目が悪いのは遺伝じゃないかなぁ…。親もメガネをかけているよ」

みに丸「そういえば、子どものころ、ゲームばかりしてたら目が悪くなるわよって怒られてたけど、最近の子どもたちはどうなんでしょうね。木登りとかしてる子どもをあまり見かけないけど、外で遊んだりしないのかなぁ」

はかせ「うーん、どうだろうね。子どもたちの行動と、近視の発症率の関連を調べてみるのも面白いかもね。そもそも、コロナの影響で外出自粛とかあったから、ますます子どもたちが引きこもりがちになってたりして…。目が悪くなる子どもが増えてきたりするのかなぁ?」

みに丸「外で遊ぶ時間が短くなったら近視が増えるのかどうか調べてみてくださいよ」

はかせ「わかったよ。ちょっと待っててくれ」

[2]He M, Xiang F, Zeng Y, et al. Effect of Time Spent Outdoors at School on the Development of Myopia Among Children in China: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2015;314(11):1142-1148.PMID: 26372583

対象論文はこちらからダウンロードできます。

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2441261

ぜひとも論文と照らし合わせながら、ねこ薬剤師たちの論文抄読会にご参加ください。

※PDFファイルのダウンロードは米国の医学雑誌「JAMA」のアカウント登録が必要となりますが、上記リンクからウェブ上で全文をフリーで読むことができます。

(論文の記載事項について、はかせやみに丸に「何ページの何行目に書いてある」とコメントしてもらっていますが、上記リンクでの閲覧の場合、ページ数は表示されません。論文とじっくり見比べながら読んでいただく場合には、PDFファイルを入手していただければと思います)

 

~研究の背景~

はかせ「では、1143ページの『Introduction』から研究の背景をかいつまんでおこう。アジアの都市部では若年成人の近視が多いが、現時点では近視を予防する有効な治療法はほとんどないそうだ。最近では、屋外で過ごす時間が長いと近視の発症を予防する可能性があるということで、中国の子どもたちを対象に屋外で過ごす時間を増やすことで近視の発症予防効果があるかどうか検証したのが本研究の趣旨だ」

みに丸「なるほど。屋外にいる時間を増やすだけで近視を予防できるのならいいですよね」

はかせ「なかなか興味深い研究だと思うよ。さっそく研究の概要をみていこうじゃないか」

 

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