地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2020年10月号 vol.6(10)

情報の見え方を考えて自分で作る!インフォグラフィックのコツ【第4回】

2020年09月24日 09:33 by noriyoshi_kawana

こんにちは。デザイナーの川名です。医療分野を専門に扱っていて医薬品、医学書、医療施設、官公庁や教育機関などの仕事をしています。医療に関わる情報が的確・正確に伝わることに、グラフィックやウェブのデザインを通して携わっています。

絵心にほっとする

秋を感じる日も多くなりました。秋といえば「芸術の秋」なんて言われたりしますんで、先日、久しぶりに美術館に行きました。このご時世だから予約制になっていて、平日だったせいもありますけど、とても静かで、閑散としていると個人的には落ち着いていていいんですけど、美術館としては大変ですね。

その美術館に向かう途中のエレベーターで、こんなサインを見かけました。 

足の向きによると、壁に向かって立ってほしいんですね。

なかなかのフィジカルディスタンスですが、「伝えるべき内容をシンプルに伝わる形にしている」という点において、良いインフォグラフィックだと思います。

「フィジカルディスタンス」という概念を「エレベーター」という場所に合わせ、視覚的かつ直感的にわかる情報処理をしています。足あとのピクトグラムは、エレベーターの中で①立つ位置・間隔②体の方向をわかりやすく表現していて、言葉はあくまで補足的です。

こういった言葉で表現できないものをシンプルに表現するビジュアルは、我々が考えているより身近なものです。

日本に膾炙したイラスト

この連載をご覧になっている皆さまは「いらすとや」さんをご存知でしょうか。精力的にフリー素材を作っていらっしゃるイラストレーターさんです。昔はパワポとか企画書で見かける程度でしたが、あれよあれよと言う間に、テレビやコンビニまですっかり定着しているようです。 

医療情報を発信する方々の中にも、使用されているのをちょくちょく見かけます。この連載をご覧になっている方の中で、いらすとやさんのイラストを実際に使用したことがある方ってどれくらいいらっしゃるかわかりませんが、少なくないんじゃないでしょうか。

一流のイラストレーターさんが、フリー素材をガシガシ作ってくれるんですから、そりゃありがたいです(素材を21点以上使った商用デザインは有償とのことです)。

多くの人が共有することによって、無料素材は広告となり、いらすとやさん自身の知名度も上がります。10円でも取っていたら、全く上手く行かなかったでしょう。

個人的にはいらすとやさんの情報整理への貢献度たるや、著名イラストレーターやデザイナーに勝るんじゃないかと思うくらい、今の時代だからこそ、出てきたイラストレーターさんではないかと思います。

ちなみに、私はいらすとやさんのイラストを使ったことはございません。なんか「みんな使ってるしプロとして恥ずかしい」という実にしょうもないプライドです。しかし「親しみやすい」ということは「伝える」を「伝わる」にする強力な武器です。「みんなが知っている」ことに、下手な小技は不要です。

今回はそのしょうもないプライドを棄てていらすとやさんのイラストを使用させていただきます。

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