地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2022年10月号 vol.8(10)

医療で未解決となる60%の疑問を少しでも解消する方法

2022年09月19日 16:48 by bycomet
2022年09月19日 16:48 by bycomet

「この情報検索、誰かやってくれないかな。」
時間のない診察室、日々感じることが解消できないでしょうか。
海外の事例をもとに、新たなプロジェクトを実現させたい。

 

疑問の60%が未解決に

 

「この情報検索、誰かやってくれないかな。」

時間のない診察室で、日々感じることです。

診察で生じる疑問の多くは解決されないままになる、という研究データがあります。

Del Fiol G, Workman TE, Gorman PN. Clinical questions raised by clinicians at the point of care: a systematic review. JAMA Intern Med. 2014 May;174(5):710-8. doi: 10.1001/jamainternmed.2014.368. PMID: 24663331.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24663331/

臨床家(医師・研修医のほか、アシスタント医師、診療看護師、看護師、歯科医師、ケアマネージャーを含む)の診察上の疑問について検討した、システマティックレビューです。

11研究から、このような結果が示されています。

1回の診察あたり0.57個の疑問が生じるが、調べるのは51%でそのうち解决できるのは78%
時間もなく答えが存在するかもわからないことが、問題解决の壁に。

つまり、生じる疑問のうち60%が解决されないままになっている、という結果です。

これはぼくの実感とも一致するデータです。

Unanswered questions may lead to suboptimal patient care decisions.
(未解決の疑問は、最適でない患者ケアの決定につながる可能性があります。)

疑問の解决は医療の質に直結する課題です。

なんとかその場で情報検索ができないでしょうか。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

医療を関心に近づける

2022年09月号 vol.8(9)

relevantな医療について考える

2022年08月号 vol.8(8)

AI情報検索アシスタントでらくらく論文検索しよう

2022年07月号 vol.8(7)

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

2023年3月号 vol.9(3)

「世界なんて簡単に変わるはずがない」 多くの人は疑いようのない事実だと考えてい…

2023年2月号 vol.9(2)

渦中にいると気づかないぐらい ささいな判断の違いが 後になって大きかったとわか…

2023年01月号 vol.9(1)

人らしさ それは人間が持つ、魅力的で神秘的なもの。 その聖域が 人工知能(AI…