読者のみなさん、こんにちは。
こちらの定期配信が今回で最後ということなので、キリのいいところで、これまでの「世界の安楽死と医師幇助自殺の潮流」シリーズで紹介してきた、いくつかの問題について、続報を取りまとめておこうと思います。
まず、2016年の合法化以来、ぶっちぎりでラディカルな最先端をゆくカナダの話題をいくつか。
精神障害のみを理由にした安楽死は検討期間を1年延期
22年7月号の記事で触れたとおり、カナダでは安楽死が合法化された2016年には対象者は終末期の(死がreasonably foreseeableである)人限定でしたが、2021年の法改正で障害や不治の病があり耐えがたい苦痛がある人へも道が開かれました。その際、精神障害のみを理由に安楽死を望む人を含めるかについては、議会に委員会が設置されて、2年間の検討期間が設けられました。
その期限が迫る中、カナダ政府は2月14日、さらに2024年3月17日まで猶予を1年間延長することを決めました。1)
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