地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2015年03月号 臨時増刊 vol.1(supplement 1)

これからの医療を学生の目線で考えたい

2015年03月16日 20:44 by bycomet
2015年03月16日 20:44 by bycomet

 「メディカルカフェについて取り上げてほしい。」

 ある大学生からツイッターのメッセージが届いたのは、地域医療ジャーナル創刊号を発行してからまもなくのことでした。

 「みんくるカフェ」など、医療者が主催する医療カフェが全国で多数開催されていることも知っていましたし、これまで「医療をもっと開かれたものに」と考えていた私にとって、たいへん興味深い企画になるだろうと思い、お話を伺ってみることにしました。

 


― はじめまして。本日はどうぞよろしくお願いします。

 早稲田大学の大学3年生の定方春樹です。今回の企画「メディカルカフェ」の広報部長をやっています。お忙しいところ、ありがとうございます。

 

医療について考えるきっかけに

― 「メディカルカフェ」を開催される経緯は、どのようなものだったのでしょうか?

 若い世代というのは、なかなか医療についての情報を得られる機会がありません。中学や高校では性感染症など、部分的には保健体育などで学ぶ機会はありますが、体系的に教わることはありません。

 そして大学に進学する人は一部ですが、さらに医療系の学部学科へ進学する割合となると、全体の1~2%にもなるでしょうか。

― 多くの若者たちは、医療や医学についてほとんど学ぶ機会がない、ということですね?

 そうです。そして、教えられる機会や考える機会がないまま、大人になって医療について意見を持たなければならなくなっています。

― 若い人たちは医療のお世話になることも少ないですから、なかなかわかりにくいですよね?

 だからこそ、われわれ学生にはまず、考えるきっかけが必要なんです。

 大学の授業のような、受け身であまり楽しくないもの(笑)では、学生みんなに参加してもらうことはできません。楽しく、おもしろく、ためになるという場を、提供したいと思います。

 そして、そこから何かの意見を出すところまでできれば、と思います。

― なるほど、大学の授業はやはりつまらないですか。(笑)

 そこはあまり突っ込まないでください。(笑)

 

 

学生が中心となって企画

― 似たような医療カフェの企画って、他にもあるように思いますが、大きな違いは何でしょうか?

 大学生が企画をしているところでしょうか。学生が学生に声をかけることで、どんな人がやっているのか、と関心を持ってもらえるじゃないですか。身近な問題としても考えてもらえますし。フライヤーも大学生が作成して、高校の進学校にも配布しています。

― 企画にはいろいろ工夫されているようですね。

 はい。カフェですから、食にもこだわってみました。当日は健康にこだわったグラノーラパフェも出す予定です。

 実は私自身、美食サークルやその延長で飲食ビジネスまで手がけています。

― え、それはすごいですね。それでいて大学では、アルツハイマー病の基礎研究ですか。とても精力的な活動家ですね。(笑)将来が楽しみです。

 厚生労働大臣をめざしています。

― (笑)

 みんなに笑われるんですが、意外と本気ですよ?(笑)

 

現実離れしないために

― ふだん医療現場にいない若い人たちが集まって、医療について考えるというのは、少しかたよった意見になるおそれはないでしょうか?例えば、今大きな問題となっている高齢者医療にまつわる諸問題については話題になりにくそうですが。そのあたりはどんな工夫をされるのでしょうか?

 救急医療や離島医療の経験豊富な医師にパネリストとして来ていただく予定です。また、グループ毎の話し合いには10~20人の医師、薬剤師などのファシリテーターが入り、医療現場の現状について随時コメント・助言していただく予定です。

 さらに、作家の久坂部羊さんの基調講演をはじめ、フリーアナウンサー、元衆議院議員にもパネリストとして参加していただく、多様な視点から考えられるように工夫をしています。

― なるほど、いろいろ仕掛けがありますね。ただ話し合って終わり、という企画にならないようにするために、どのようなプロダクトを出す予定ですか?

 会場から出た意見はまとめて、ウェブサイトに掲載して公開する予定です。

 最終的には、参加者のみなさん自身がいい刺激をもらって、「私もがんばらなければ」と発奮してもらいたい、と思っています。


カフェとエビデンス

― 本誌としては、このような活動に科学的な効果はあるのか?という点に関心がありますが。  

 どうでしょうか。あまり調べていませんが。

― ぜひ調べてほしいです。自分でも調べてみようかな。もしエビデンスがなければ、今回のような取り組みも研究の価値があるのでは?  

 アンケート調査は行う予定です。次世代教育に関心があるのですが、参加者が将来どうなっていくのか、というのには大変興味があります。もう少し考えてみたいと思います。

― ぜひ、考えてみてください。 

 

参加費無料!

― 最後に、参加したい人はどのように申し込んだらよろしいでしょうか?  

 特に、申し込みはいりません。直接会場に来ていただければと思います。

― 参加費は?  

 ワンドリンク制ですので、飲み物などの料金はかかりますが、参加費は無料です。

― え?これだけ盛り込んで、無料なんですか?  

 はい!!赤字覚悟です。

― すごいですね。ぜひ当日は、足を運びたいと思います。本日はありがとうございました。  

 ありがとうございました。

 

プロフィール

定方 春樹 さん

 早稲田大学先進理工学部生命医科3年の21歳の現役大学生。2月からアルツハイマー病に対する基礎研究を行う。大学生活では学園祭での白衣コンテストの運営とMC、美食サークルというグルメ団体の創設、フードアナリストを中心とする飲食ビジネスを経験。オックスフォード大学に語学留学の経験もあり。また、科学の楽しさを子供たちに伝えるため、アルバイトでは未来のサイエンティストを育てるために科学実験教室で先生をする。将来の夢は厚生労働大臣となって、「次世代の子供たち、若者たちに希望を与える」医療改革を行うこと。

アメーバブログ http://ameblo.jp/next-dr-cop

Twitter:@Next_dr_cop https://twitter.com/Next_dr_cop


「メディカルカフェ」 企画概要

 日時:2015年5月2日(土)・3日(日) 10時〜16時
 場所:赤坂「孔子膳堂」 
     (東京都港区赤坂3丁目11-14)

 主催:Next Dr. corporation

 

 

 「メディカルカフェ」では、2日間を通じて、様々なトークイベントが随時開催されます。  

 パネリストは現場で活躍する4人の若手医師。元衆議院議員の杉村太蔵さん、フリーアナウンサーの長谷川豊さん、作家久坂部羊さんなどのトーク企画があります。2日間を通して、楽しく、興味深く医療を「知る」ことができるでしょう。

 

 オリジナルカフェメニューは「医食同源」がコンセプト。現役女子大生がオープンした人気のフレンチトースト専門店「Foru Cafe」提供のグラノーラパフェ(数量限定)は注目。

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