血圧というのは多くの人が関心を持つ指標です。
実際私も、恥ずかしながら気にしていた時期がございました。あれはもう10年ぐらい前になるでしょうか、仕事中に突然鼻血が噴き出すことが度々あって、その時に血圧を測定してみたらすごく高かったんですね。ちょっと心配になって、血圧計買ってみて毎朝測ってみたり、しばらく降圧薬を飲んでみたりしたのですが、結局長続きしませんでした。私はどうも良い患者にはなれなさそうです・・・というか、数年したらごく普通の血圧に戻ってしまったんですけどね。その間に変わったことといえば、職場が変わったぐらいで・・・(?)
例えば「ストレスで血圧が上がる」という話はよく聞きますから、そんな感じで血圧とメンタルヘルスについての記事でも書こうかなぁと考えて論文を探そうとしていたんですが、そこでちょっと目に留まった論文が興味深かったので今回はそっちの方を紹介させていただこうと思います。
実は血圧と認知症の話です。
高血圧の害というのは様々なところで目にしますし、高過ぎる血圧は寿命を縮めてしまうことはもはや疑いようのないことでしょう。また、高血圧と脳血管性認知症は、高血圧で脳卒中が起こりやすくなることからも強く関連していますし、アルツハイマー型認知症でも高血圧はリスク因子の一つであるという報告もあります。
Li JQ, Tan L, Wang HF, Tan MS, Tan L, Xu W, Zhao QF, Wang J, Jiang T, Yu JT.
Risk factors for predicting progression from mild cognitive impairment to Alzheimer's disease: a systematic review and meta-analysis of cohort studies.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 May 22. pii: jnnp-2014-310095.
そういった関連が示唆されていますから、認知症または軽度認知機能低下のある高齢者の高血圧は積極的に治療した方がいいんじゃないかと思われるところです。しかし、実は、血圧を下げるとかえって認知症になりやすくなるんじゃないか?という論文が出てきたので、以下それを紹介してみます。
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