この連載は、身近な医療問題を事例として取り上げ、疫学的なアプローチによる考察を加えることで、疫学に興味をもって頂いたり、さらに本格的に疫学に入門したい、その入門への足掛かりになればよいな、と思っています。いうなれば「疫学入門入門」という感じです。
では早速、第2回目です。先日、こんなニュース記事がありました。その見出しは…
「インフルワクチン:乳児、中学生に予防効果なし」
毎日新聞 電子版 2015年08月30日 09時00分(最終更新 08月30日 15時09分)
なかなか衝撃的なタイトルです。
冒頭を引用します。
「インフルエンザのワクチンを接種しても、6〜11カ月の乳児と13〜15歳の中学生には、発症防止効果がないとの研究成果を、慶応大などの研究チームが米科学誌プロスワンに発表した。」
引用終わり
もしこれが本当ならば、なかなか衝撃的です。米科学誌プロスワンという学術雑誌は英語で書かれているものの、全文がインターネット上で無料閲覧できます。今回はこの新聞記事の内容を"事例”として取り上げ、さらに「症例対照研究」について解説していきます。
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