地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2015年11月号 vol.1(9)

抗精神病薬と肺炎のリスクについて

2015年11月01日 08:55 by 89089314
 日本人の死因のトップはがんですが、無視できない死因の一つに肺炎があります。肺炎は心疾患、脳血管疾患に次いで第4位の死因となっています。また、90歳以上では死因の第2位になっています。(厚生労働省 人口動態統計より)

 さて、今回は抗精神病薬と肺炎リスクとの関連について、最近示されたエビデンスを紹介しつつ記事にしてみたいと思います。

 抗精神病薬は、本来は統合失調症などの幻覚や妄想に対して使われる薬ですが、強力な催眠鎮静作用や気分安定化作用がありますので、認知症を含めた様々な精神疾患やその他の疾患に伴う不眠や不穏などの精神症状に対して用いられる薬です。広い意味では「トランキライザー=安定剤」と呼ばれていたりもしますが、ここでは抗精神病薬と呼び方を統一しましょう。

 それで、実は精神科領域の臨床的には、抗精神病薬が悪影響したのではないかと思われる誤嚥性肺炎というものを結構よく見ます。特に高齢者になると非常に警戒しなければならないです。ただ、そのリスクはどれぐらいなのかについてはまだ十分なデータがあるとは言えず、誤嚥性肺炎の危険と抗精神病薬を使うメリットをうまく天秤にかけることが困難です。
 
 そこで、最近報告された論文を元に、その天秤について少し考えてみたいと思います。
 
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