連載「かぜの研究」は、もう17回目となりました。ここまで薬については、抗ヒスタミン薬、トラネキサム酸、去痰薬と取り扱ってきましたが、さあいよいよ抗菌薬の出番でしょうか。

「かぜと言ったら抗菌薬」と言っても過言ではないほどよく処方される薬でありではありますが、その効果には疑問符が付いています。効果が乏しいばかりか、耐性菌の出現など困った問題を引き起こしていることが全世界的に問題となっています。

 ちょうど援護射撃のように、先ごろ東京都立小児総合医療センターのホームページで 抗菌薬の使用に関する声明 が発表されています。抗菌薬適正使用小委員会による声明です。詳しくはホームページをご覧いただければと思いますが、本稿をはじめるにあたってご紹介したいと思います。

 声明はこのような内容となっています。

  • 風邪に抗菌薬が効きません。
  • 処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう。
  • 残った薬は捨てましょう。
  • 医師が抗菌薬を不要と判断した時に抗菌薬を処方してほしいというのやめましょう。
  • ワクチンを接種しましょう。

 ここにエビデンスは示されていませんが、一般向けのわかりやすい説明となっているかと思います。

 特に小児領域では「かぜに抗菌薬」と不適切に使用されている事例があとをたちません。「抗菌薬を処方してほしいというのをやめましょう」とありますが、医療者はもちろんのこと、患者さんやその家族についてもかぜに抗菌薬が効かないという知識を持っておく必要があります。

 抗菌薬の効果を検証した研究はたくさんありますが、他の媒体でもよく紹介されており他稿に譲ります。今回は今年発表されたひとつのガイドラインを紹介しながら、エビデンスを確認したいと思います。

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