健康食品やサプリメントが体に良いなどという情報を、普段私たちはどこから入手しているでしょうか。かかりつけの医師や薬剤師、あるいはテレビや雑誌などから得ることもあるでしょう。しかしスマートフォンがここまで普及した現代社会ではインターネットからも容易にサプリメントや健康食品の効果などの情報へアクセスすることが可能となっています。
話は変わりますが、平成26年度、今年の東京大学教養学部の学位記伝達式の式辞が全文公開されています。その中で私がとても印象に残ったか所があります。少し引用させていただきます。
以下、「東京大学 大学院総合文化研究科 教養学部 平成26年度 教養学部学位記伝達式 式辞」より引用
「あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、「教養学部」という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる「教養」というものの本質」
引用終わり
とても大事なことだと思います。インターネットをはじめとする、世の中にあふれる情報をそのまま鵜呑みにせず、その真偽を自分の目で確認せよ、そのために一次情報(情報のもととなる根源の情報)にアクセスし、自分の頭で検証せよ、ということなのです
医療・健康分野における情報の1次情報とは、人や動物を対象とした研究成果を原著論文にまとめ、それが基本的には英語媒体で公開されることによりはじめて世に出てきます。医療従事者は医療・健康に関する情報について、この原著論文に立ち返り、自分の頭でその妥当性を検証し、医療者としての意見を持つことが大切なのですね。
しかし、この記事を読まれている一般の方に、そのような英語の原著論文を読んで、自分で検証しなさい、というのはちょっと厳しいかもしれません。医学・薬学的専門用語や統計的知識、疫学的知識、そしてなにより全て英語が基本ですから、日本語を母国語とする私たちにはちょっと大変。そんな現状を踏まえて、今回は、一般の方でもできる健康関連情報吟味のコツをまとめます。
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