読者のみなさま、こんにちは。
さて、ここのところ、小児の発熱と解熱薬について書いてきましたので、ついでに小児についてもう少しつづけてみたいと思います。今回は、市販のかぜ薬についてです。
日本国内ではよく使われることがある小児用かぜ薬ですが、海外では使用が規制されている国もあります。
市販のかぜ薬規制の国々
2008年、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)は2歳未満に市販のせき止め・かぜ薬を使わせないように、という勧告を出しました。また、2-11歳については結論保留としながらも、かぜ薬はかぜを治したり、症状を早く止めたりしないことをよく理解して使うこと、との勧告になっています。
アメリカの他に、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの4か国でも、2007~2009年頃に2歳未満または6歳未満の小児へ市販のせき止め・かぜ薬を使用しないよう、規制が強化されました。せき止め・かぜ薬の有効性と安全性に関する調査で、症状を緩和するという根拠が十分ではなく、稀に重篤な有害事象のおそれがあることが明らかになったため、としています。
つまり、小児にはかぜ薬は使わないほうがよいことが科学的にも明らかになりつつある、ということでしょう。
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