読者のみなさま、こんにちは。
嵐のようなインフルエンザシーズンもようやく一山越えたところ、いかがお過ごしでしょうか。
かぜには薬は効かない
さて、かぜの研究シリーズからいろいろと学んできたお陰で、私の診療スタイルも変化がみられてきています。今シーズンは啓発の思いをこめて、さらに積極的に説明をしています。
「かぜは自然に治る病気です。薬は症状を一時的におさえるだけで早く治す効果はありません。むしろ副作用がある分、デメリットが大きくなります。」
「海外では小児に対するかぜ薬の使用が禁止されている国がふえています。」
「インフルエンザも自然に治る病気です。(リスクのない健康な成人については)抗インフルエンザ薬は熱が半日から1日早く下がるだけで、重症化を予防するかどうかもはっきりしない上に、副作用はあります。むしろしっかり休むことが大切です。」
「せきがひどい場合には、ハチミツやヴェポラップなどは効果がありますので、試してみてもよいでしょう。」
医療機関全体で説明をしっかりしていくことで、少しずつ浸透してきている感触があります。かぜの場合には、処方なし、という事例がかなり多くなっています。
「それなら薬はいらないです。よかったです。」
このような方がふえてきています。薬を飲まなくてもちゃんと治る、という体験を重ねることで、不要かつ有害な薬を使わなくてもいい、ということがわかってくるということでしょう。
説明が面倒だからかぜ薬を出してしまっていた、というこちら側の問題が大きかったことを、改めて認識しています。これからも時間をかけて対応していきたいと思います。
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