薬の効果について思考する、これは僕たち臨床に従事する薬剤師にとって基本的な職能の一つです。薬がどんな人に、どれくらい、どのような効果を発揮するのか、僕たちは常に考えながら臨床に関わっています。しかしながら、薬の効果がどれほど見込めるのであろうか、という疑念が信念に代わるプロセスをあらためて考えてみると、様々な視点があることに気づかされます。
薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)(※1)では2013年9月の立ち上げ以来、ソーシャルメディアを活用し、臨床医学に関わる論文を読みながら、継続的にEBMスタイル抄読会をネット上で開催してきました。その中で、薬剤効果に関するこれまでにない"新たな視点”を配信視聴者の皆様とともに垣間見てきたように思います。この新たな視点を僕たちはプラグマティック(pragmatic)な視点(※2)と呼ぶことにします。
薬剤師のジャーナルクラブでは、このプラグマティックな視点をリアルに体験するためのワークショップを企画いたしました。開催に当たり、臨床の最前線でEBMを実践されている気鋭の薬剤師を講師にお招きしております。今回、予想を超える、参加のお申し込みを頂き、おかげさまで定員に達しました。現在、参加者の募集は締め切りとなっていますが、開催プログラムは、以下の内容を予定しております。
第2回薬剤師のジャーナルクラブリアルワークショップ開催概要
*参加申し込みは現在受け付けておりません。
【開催日時】 2016年06月11日(16時〜19時)
【開催場所】 TKPスター貸会議室浅草(東京都台東区花川戸1-3-2 井門浅草ビル5F)
【プログラム概要】
・イントロダクション(桑原秀徳)
[ミニレクチャー]なぜ論文を読もうと思ったのか(村田繁紀)
[ミニレクチャー]生涯学習としてのEBM(稲生貴士)
・症例提示+エビデンス紹介(山本雅洋)
・ロールプレイ&ディスカッション
[ミニレクチャー]論文を読むことで何が変わったか(黄川田修平)
・JJCLIP今後の展開(桑原秀徳)
【主催】 薬剤師のジャーナルクラブ
【企画責任者】 青島周一(薬剤師のジャーナルクラブ)
【企画協賛】 地域医療ジャーナル
なお、今回のワークショップ開催内容の詳細レポートを「地域医療ジャーナル」7月号に掲載予定です。
※1)「薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)」は主に薬剤師を対象に、ソーシャルメディアを活用し、臨床医学論文抄読会を主軸としたEBMスタイルの臨床研修プログラムを提供する取り組みです。詳細は「医学書院/週刊医学界新聞(第3084号 2014年07月14日)」をご参照ください。
※2)"プラグマティック”とは直訳すれば「実用的」あるいは「実際的」いうような意味です。「僕たちが考える薬剤効果が、臨床において、実際的にもたらす帰結はどのようなものか顧みよ」という視点をプラグマティックな視点とよんでいます。「"薬が効く”という意味について、実際的な関わりのある結果と結びつけて思考せよ」、というのがこの視点の核心と言えましょう。
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