地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2016年05月号 vol.2(5)

「酒は百薬の長」というのは本当でしょうか?

2016年04月19日 23:38 by 89089314

 私はお酒がとても好きです。人により好みはあるでしょうが、私は特に、ひと仕事終えたあとのよく冷えたビールというのは格別の美味しさを感じてしまいます。もちろん、心許せる友人と語らいながら様々な日本酒や焼酎を試し飲みしてみるのもいいですね。それから、ちょっとお洒落な雰囲気で料理を楽しみながら飲むワインも大好きです。

 この世には数え切れないほどのお酒があって、無限の楽しみ方があると思います。あまりお酒が飲めないという方でも、嫌いでなければその場の雰囲気を楽しむということもできるでしょう。お酒と人とのつながりは深く、多様で、切り離せないものなのではないでしょうか。宗教で飲酒をタブーとすることもありますが、あれこそ結局お酒に捉われた価値観に他ならず、お酒は人類にとって重要な文化といえるでしょう。

 太古の昔から、人は酒に酔ってきたとされています。中国では、およそ7000年前の遺跡から醸造酒の成分が検出されたとのことですし、少なくとも古代エジプトにはビールやワインが存在していたことが分かっています。アルコールは少量でも意識を変容させる効果があることから、お酒は古くから神聖な意味合いで利用されることもあれば、混乱や無秩序をもたらして人を破滅に追いやる忌避されるべきものとされることもありました。

 現代に生きる私たちも、お酒にはそのように両価性があることをわかっています。お酒が気分をリラックスさせたり楽しい気分にさせたりして、コミュニケーションを円滑にさせたりストレスを軽減してくれたりといったことは、お酒が嫌いな人でなければ、多くの人が経験していることでしょう。しかし、ひとたび飲みすぎてしまえば、ひどい二日酔いだけではなく、取り返しのつかない判断や行動の誤りを招くこともあるわけですよね。はい、私も幾多の失敗をしております……

 そのように「諸刃の剣」的なアイテムのお酒ですが、私のように酒好きな人からすれば、「飲みすぎるからよくないのであって、適量で抑えていれば大丈夫だよ」と、言いたくなってしまうところですが、本当に適量で抑えていれば大丈夫なんでしょうか?  というより、適量ってどれぐらいなんでしょう?  

 巷では「少量飲酒者は非飲酒者より健康で長生きできる」という話もよく耳にします。まさに「酒は百薬の長」という言い方です。それってエビデンスがあるんでしょうか?  

 今回はこのような疑問からエビデンスを探ってみます。

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