地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2020年10月号 vol.6(10)

2020年10月号の編集後記

2020年09月30日 11:52 by bycomet
2020年09月30日 11:52 by bycomet

 

 読者のみなさま、今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 特集号「消えゆくエビデンス、消えゆく医療」は、いかがでしたでしょうか。

 読者のみなさまからいただく反響が、記者の原動力となります。心動かされた記事には、ぜひ「いいね!」ボタンをお願いします。

 また、記事下の「読者コメント」または「読者コミュニティ」からも、ご意見・ご感想をお寄せください。

 よろしくお願い申し上げます。

 

「消えゆくエビデンス、消えゆく医療」

 2020年5月4日。特集号のテーマとして「消えていくエビデンス」を提案させていただきました。

 新型コロナウイルスの新薬について、報道などで話題になっていた時期でした。

注目の新薬など効果が謳われるエビデンスばかり注目され、実は効果がなかったり有害だった治療はひっそりと消えていきます。
新薬開発の悲しい歴史を忘れて、新薬への期待に沸き立つ世の中に、一石を投じる特集号を作りたいと思います。

 新薬開発の悲しい歴史を忘れないように、企画にしておきたい、と考えたからです。

 コロナ禍において、医療環境は大きく変化しました。特に受診抑制など、市民の受療行動の変化は顕著であることは、現場で実感しています。これを裏付けるように、医療保険医療費総額は前年との比較で大幅に減少し、減収となった医療機関では経営危機に瀕しているとの報道もあります。

 こうした情勢から感じたことは、「もはや、医療はこれまでの医療ではなくなった」ということです。

 消えていくのはエビデンスや新薬どころではない。従来の医療も消えていこうとしているのではないかと。

 2020年6月22日。テーマを「消えゆくエビデンス、消えゆく医療」に変更することにしました。編集チームでのテーマの説明はこちら。

いろいろなイメージや解釈が広がっていくことに、テーマ設定の意義があると感じています。ぼくが最初にイメージしたことは、効果があるという新薬のエビデンスがいつの間にか消えている(効果がないばかりか害があるとわかる)という経験のことです。
さらに派生して、医療の意義や価値、さらには医療の専門性といった、医療の本質的なものが消えゆこうとしているのではないか、と感じることがあります。
そういったことを特集で取り扱えないか、と思います。思いつきで書いていますが、気軽にご意見ください。

 もう戻れないかもしれない従来の医療の姿をイメージして、「消えゆく医療」と表現しました。この光景が、消えゆくエビデンスのイメージとまさしくぴったりに思えたからです。

 こうしたテーマを汲んでいただき、記者のみなさまからご寄稿いただきました。いつものように力作揃いのすばらしい記事、ありがとうございました。

 記事からいろいろなインスピレーションがえられました。そして、このテーマの普遍性について、気づきもありました。これまでの特集と同様、ここで終わらせるつもりは毛頭なく、これから何らかの活動展開につなげていきたいと考えております。

 読者のみなさまからも、ご意見・ご感想、そして新たなインスピレーションとなる刺激をいただければ幸いです。

 ちょっとした行動が、おおきなうねりとなるきっかけになるかもしません。ぜひコメントをお寄せください。

 

 note版、はじまる

 先日、2020年ニュース vol.6(news) にてご案内いたしましたが、地域医療ジャーナルは「note版」をはじめます。サイトはこちら

地域医療ジャーナル - note

 記事を単体で購読したいというご要望にお応えして、ウェブマガジンに掲載した会員限定記事をそのまま、noteで記事ごとに購読できるように掲載いたしました。記事内容はウェブマガジンと同じ内容となっております。連載記事ごとに楽しみたい、という方はご活用ください。

 なお、本誌「地域医療ジャーナル」は、変わらず発行してまいります。ひきつづき、読者登録をお願いいたします。

 読者登録を希望される方は、こちらからお願いいたします。

読者登録 / 地域医療ジャーナル
地域医療ジャーナル の読者登録ページです。

 

地域医療編集室へご参画ください

 地域医療ジャーナル運営チームも設置するオンラインコミュニティ「地域医療編集室で」はメンバーを募集しております。詳細はこちらです。

これからの医療を考える本格的医療コミュニティをつくりませんか? 

 まだまだ小さな活動ですが、メンバーで意見交換しながら、ひとつひとつ構想を実現させていきたいと考えております。参加には月額料金を設定させていただきますが、参加資格要件はありません。医療に従事していない方も広く募集しております。

 特に、医療における「エビデンス・情報発信・芸術」の活用、のいずれかの分野に関心があり、楽しく積極的に参加できる方が適しています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 それでは、今月はこのあたりで。また来月、お会いできることを願っております。

関連記事

【重要】定期配信終了のお知らせ

2023年3月号 vol.9(3)

2023年2月号の編集後記

2023年2月号 vol.9(2)

2023年1月号の編集後記

2023年01月号 vol.9(1)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2023年3月号 vol.9(3)

「世界なんて簡単に変わるはずがない」 多くの人は疑いようのない事実だと考えてい…

2023年2月号 vol.9(2)

渦中にいると気づかないぐらい ささいな判断の違いが 後になって大きかったとわか…

2023年01月号 vol.9(1)

人らしさ それは人間が持つ、魅力的で神秘的なもの。 その聖域が 人工知能(AI…