はじめに
寒くなってきましたね。そろそろ風邪の患者さんが増えてくる時期でしょうか。
さて、ねこ薬局はというと、なんとねこ薬剤師のみに丸が風邪をひいてしまったようです。心配ですね!ちょっと様子を見てみましょう。
ねこでも読める医学論文 第4話
ビタミンCで風邪を予防できる?
~3日前~
午前診療が終わり、昼休憩。
ねこ新聞を読んでいるはかせの隣にみに丸が腰をおろした。

はかせ「浮かない顔してどうしたんだい?」
みに丸「はぁ~~。わからないんですか?ほら、見てください、ぼくの姿を…」
はかせ「マスクをしているね。」
みに丸「はい、マスクをしています。」
はかせ「……。」
みに丸「……。」
はかせ「…?」
みに丸「ちょっとぉ!『体調が悪いのかい?』とかそういう気遣いはないんですか!?もうちょっと部下を思いやる気持ちをもってもらわないと!」
はかせ「なんだ、元気じゃないか。」
みに丸「それは、ぼくの根性がそうさせているんですよ。ボスが今のぼくの状態に入れ替わったら、ぶっ倒れてますよ。」
はかせ「そうか、すまんすまん。風邪でも引いたのかい?熱は?」
みに丸「そうだ、熱は測ってなかった。ちょっと体温計を買ってきます。」
はかせ「まいどありー」
ねこ薬局の売り場コーナーに向かうみに丸。
その足取りは重い…。
しかし、どことなく芝居がかっているように見えてしまうはかせであった。
3分後
ピピーッ
買いたての体温計の音が鳴り、体温を確認するみに丸。
はかせ「何℃だった?」
みに丸「え?ま、まあ高熱ですね。」
はかせ「そうか…。で、何℃?ちょっと貸してごらん」
みに丸「うわっ、ぼくのおにゅーの体温計を!」
はかせ「ふむ、37.3℃か…。(※)」
みに丸「い、いや…、ぼくは平熱が低いですからね。普通でいうところの38.5℃はカタいなぁ。ゲホゲホ」
はかせ「そうか…。じゃあ、無理はせず午後は早退したまえ。」
みに丸「えっっ!!?」
はかせ「『えっ』て言われても…。風邪ひいたんだろ?じゃあ、無理しちゃいかん。」
みに丸「ぼ、ボス…。ありがとうございます!」
はかせ「や、やめろ!抱きつくな!風邪がうつるじゃないか!」
※そもそもねこの体温とヒトの体温は違う!という的確なツッコミは無しの方向でお願いいたします。
そして、みに丸、2日半の休養へ…。
みに丸「いやぁ、復活しましたよ。ハッハッハー。」
はかせ「そりゃあ、良かった。」
みに丸「ぼくがいない間、大丈夫でした?エースを失った職場がどうなったか心配ではあったのですが。」
はかせ「本部から応援が来てくれたりしたので大丈夫だよ。」
みに丸「げっ。偉いひとたちが来たのですね。」
はかせ「まあ、困ったときは助け合いだよ。体調が悪いときに無理するのはおかしなことだろ?」
みに丸「そっかぁ。ねこ薬局株式会社はいい会社だなぁ。」
はかせ「風邪薬のCMとか見てると、『風邪でも休めないあなたへ!』とかいうけどさ、あんなのおかしいよ。感染症撒き散らしてどうすんだって思うよね。」
みに丸「ほんとですよね。たしかに、人間たちはよく働くからなぁ。」
はかせ「人間社会の悪いところは見習っちゃいけないよ。われわれ、ねこ族は正しい道を進むのだ。」
みに丸「ねこは正義ということですね。」
はかせ「そういうこと。」
みに丸「ところで、みなさんに迷惑をかけないように、風邪予防としてビタミンCを飲もうかと思うんですけどどう思います?効果ありますかねぇ?ニャフーで検索すると『効果あり!』ってサイトがたくさんヒットするんですが…。」
はかせ「ふむ、そうなのか…。ではビタミンCの風邪予防効果に関する論文[1]を読んでみようか。」
みに丸「よしきた!」

はかせ「これ、実は大昔の研究なんだよ。1976年だ」
みに丸「えっ。ぼくはまだ生まれてないなぁ。ボスは小学生くらいでした?」
はかせ「ムッ。私もまだ生まれてないぞ。」
みに丸「ええええぇぇぇ!!!!?」
はかせ「そこまで驚かれると、ますますムカつくな。」
みに丸「そんな昔のやつだと、研究の質とかどうなんでしょうね。」
はかせ「そうだな。そのあたりをいつものようにチェックしていこうと思うんだが、今回はきみが読むんだ。」
みに丸「えっっ?」
はかせ「ほれ、論文だ。」
みに丸「ちょっ…やめてくださいよ。冗談きついなぁ…。」
はかせ「いままでは、私が原著論文を手元において、解説していっただろう?これからはきみも原著を確認しながらチェックしていくんだ。」
みに丸「えええぇ~~」
はかせ「では、いこう!」
さて、ここからは読者のみなさまも、みに丸と一緒に論文を読むことができるという仕組みになっております。
対象:論文を読んだことがないけど読んでみたい、読めるようになりたいという方
対象外:論文を読みたくない方、論文を読み漁っている猛者(初心者向けの内容となっております)
対象論文[1]のURLはこちらです。
右上のFormats:のところの"PDF(531K)"をクリックすれば、PDFファイルが開かれます。
論文のPDFファイルと付け合せながら読んでいただけると、より楽しめると思います。
では、いやだいやだと暴れるみに丸と一緒に論文を読んでみましょう。
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