11月号から新しく連載している「これってどうなの?〜感染管理の脇道〜」の第2回となります。
これは感染管理における、「これってどうなの?」というもの、特に教科書などであまり解説されないような”脇道のエビデンス”についてまとめていこうという連載になっております。
どうぞお付き合いください。
さて、読者の皆様も今までに病院や診療所などで採血をされたことがあると思います。
採血をする時は手袋すべき、というのは医療従事者の中では常識ですし、最近は特に手袋を装着するよう徹底されています。
採血の時に手袋を着けるのは主にHBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、HIVなどの血液感染症を防ぐことを目的としており、これらの感染症は健康被害が甚大なので、多くの医療従事者が新人の時に感染症のリスクや、手袋の必要性について徹底的に叩き込まれています。
新人の頃は感染症のリスクは認識していたもののあまり自分のこととして捉えられませんでしたが、針刺し事故の事例報告を読んだり、実際に同僚が亡くなったという方の話を聞く内にこれは本当に大事なことで注意しなければならないと強く感じるようになりました。
しかし、詳しくは後述しますが、まだ採血の時の手袋の装着が徹底できていない医療従事者もいるようです。
本稿では改めて何が手袋装着の阻害要因になっているのか、手袋装着によるメリットはどんなものがあるのか、どういう解決法があるのか等についてエビデンスを交えながらまとめてみたいと思います。
【目次】
・手袋を着けない理由とは?
・看護師の手荒れ問題
・手袋と針刺し事故
・注射の時の手袋は着けるべき?
読者コメント