連載早々で、一カ月飛ばしてしまいました。病院家庭医の大浦です。
今月はBritish Journal of Hospital Medicineという病院総合診療の雑誌に「医師のレジリエンスを高める13の方法」という記事があったので紹介させていただきます。
そもそもレジリエンス(resilience)は「回復力」とか「復元力」とか訳されることが多く、困難な状況に遭遇した時に、落ち込んで停滞するのでなく、そこから復活して良い方向にもっていく力のことです。物質の「弾力性」という意味もあり、力を加えて変形させてもすぐ元の形に戻る性質を人に置き換えるとイメージししやすいかもしれません。
この“resilience” を備えている状態を “resilient” と表すのですが、人や組織が “resilient”であることの大切さが、ビジネスの世界でも注目されています。ストレスや失敗・困難な状況に直面したときに、くじけてしまったり成長が止まってしまわないで、そこから問題点を見つけ出して解決・成長へ持っていけるという能力が重要視されているからです。
良く誤解されがちなのですが、レジリエンスの意味は「打たれ強い」や「心が折れない」と思われがちですが、意味が違います。どんな衝撃にも耐えられる強さが大切なのではなく、衝撃に打ちのめされても「すぐに元に戻れる、いい方向にもって行ける」力が大事なのです。
そんな予備知識を踏まえて、医師のレジリエンスを高めるために必要なことはどのようなものでしょうか?本文を読んでいきましょう。
(注)本文は医師に対して向けたものでしたが、一般化できるものと考えてください。
2023年3月号 vol.9(3)
「世界なんて簡単に変わるはずがない」 多くの人は疑いようのない事実だと考えてい…
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