地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2020年08月号 vol.6(8)

2020年8月号の編集後記

2020年07月31日 08:06 by bycomet
2020年07月31日 08:06 by bycomet

 

 読者のみなさま、今月号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 読者のみなさまからいただく反響が、記者の原動力となります。心動かされた記事には、ぜひ「いいね!」ボタンをお願いします。

 また、記事下の「読者コメント」または「読者コミュニティ」から、ご意見・ご感想をお寄せください。

 よろしくお願い申し上げます。

 

変わりゆく時代に適応する

 新型コロナウイルスが全国に広がりながら、ふたたび猛威を振るっています。終息にはまだ時間がかかりそうです。

 いつウイルスが侵入するかわからない中、日常生活も医療も、新しい変化にさらされています。

 変わりゆく時代に、ぼくらの適応力が試されているようです。

 これまでの常識にとらわれることなく、本誌でやるべきことは何か、どのように展開すべきか、考えていきたいと思います。

 新規に1名の記者登録を行いました。新連載企画の準備も進めております。ご期待ください。

 さらに、読者のみなさまからの動画投稿や企画提案も「お問い合わせ」から随時募集しております。地域医療編集室のメンバーからのご提案もお待ちしています。

 ぜひ、情報をお寄せください。

 

消えゆくエビデンス、消えゆく医療

 秋の特集号、テーマは「消えゆくエビデンス、消えゆく医療」を予定しております。

 効果があるはずの新薬のエビデンスが、いつの間にか消えている、効果がないばかりか害があるとわかる、といった経験がしばしばあります。

 医療そのものの意義や価値、さらには医療の専門性といった、医療の本質的なものが消えゆこうとしているのではないか、と感じることもあります。

 「消えゆくエビデンス」はどのように生まれ、消えてきたのでしょうか。

 消えゆくのはエビデンスばかりではなく、医療そのものが揺らいでいるのではないでしょうか。

 こういった「消えゆくエビデンス、消えゆく医療」に焦点を当ててみたいと思います。

 読者のみなさま、このテーマでのご寄稿を募集いたします。「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

医療にやさしさとあたたかさを

 現在運営しているオンラインコミュニティ「地域医療編集室」の基本コンセプトについて、あらためて考えています。少し説明を加えた草稿を、ここに掲載してみます。

やさしさ(寛容さ)

「治療効果って思っていたほどないのに、自信満々に勧めていいのかな?」

 日常行われている治療について、治療効果を検討した論文(エビデンス)を読んでいくたびに感じてきたことです。

 治療してもしなくてもあまり変わらないのなら、治療を強いたり、治療のために生活を犠牲にしなくてもいいのではないでしょうか。

 治療しなかった不利益について納得していたのなら、治療しないという選択もありうるのではないでしょうか。

 エビデンスで医療はもっと寛容になれる。ぼくはそう考えています。

あたたかさ(親近感)

 患者さんと近くで話しているのに、距離を感じることがあります。

「苦しむ人に手を差しのべる癒し手でありたい。」

 医療人になった時、誰もがそう思ったはずなのに、医療現場は忙しく、ゆっくり話を聞く余裕もありません。

 人々や地域に歩み寄り、つながることで、医療にもっと親近感が生まれる。そう考えています。

安心

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々は医療を避けるようになりました。医療への過度な依存から解放され、医療とも適切な距離(ソーシャルディスタンス)を保つようになったようにみえます。

 人々が求めているのは「安心のための医療」ではなく「安心」。これまで医療はひとつの安心材料になっていただけだったのです。

 時代は変わりゆきます。死の不安に向き合う心の拠り所として、医療はどう関わりつづけるのか。これからも考えていきます。

現象

 まだ言葉にもできない感情、違和感、モヤモヤってありますよね。医療は言葉でやりとりしていますが、言葉になっているのはごくわずか。氷山の一角です。

 例えば、その人のもつ雰囲気とか、表情とか、姿勢とか。

 まだうまく表現できないような「言葉以前」の「現象」にも、しっかりと向き合っていきたいと考えています。

 

「日常に溶けこむ」をキーワードに

 医療人と人々、油と水のような関係は理想じゃない。

 入浴剤のように、人々や地域の日常に溶け込むことはできないでしょうか。

 新しい医療、一緒に考えてみませんか。

 

 このようなコンセプトで活動しています。まだまだ小さな活動ですが、メンバーで意見交換しながら、ひとつひとつ構想を実現させていきたいと考えております。

 参加には月額料金を設定させていただきますが、参加資格要件はありません。医療に従事していない方も広く募集しております。

 特に、医療における「エビデンス・情報発信・芸術」の活用、のいずれかの分野に関心があり、楽しく積極的に参加できる方が適しています。

 詳細はこちら。

これからの医療を考える本格的医療コミュニティをつくりませんか? 

 

 それでは、今月はこのあたりで。また来月、お会いできることを願っております。

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