地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2019年04月号 vol.5(4)

【暮らしと健康】外用消炎鎮痛剤の効果を再考する

2019年03月31日 17:14 by hatabo

 3月に入り、この原稿を書いています。4月号が発行されると年度が変わり新年度が始まりますね。年度末になると予算組みの関係なのか、地域にあるこども園、小中学校から保健室の医薬品や衛生用品の補充に関して相談・発注が普段以上に舞い込むことがあります。医薬品に関しては、学校は生活の場であり、保健室は医療機関ではないという前提があるため、飲み薬は消化薬と鎮痛剤程度で、冷湿布やコールドスプレー、虫さされの薬といった外用薬を中心に揃えているケースが多いのですが、小学校の養護教諭からの相談で印象に残ったやり取りがありました。

「hatabo先生、サロメチール®(サリチル酸メチルを主に含有する軟膏剤)を取り寄せてくれませんか?」

「なんでまだそんな懐かしい薬を」

「これね、手当てができるんですよ」

 サロメチール®は大正10年に発売された薬で、まもなく100年が経過します。歴史がある薬であり、現在でも販売されているのは良い薬だからなのですが、薬剤師である私は、薬の効果を評価せずイメージだけで「懐かしい」という言葉を口にしてしまいました。

「手当てができる」という言葉にはなるほど、と思いました。「軟膏を塗擦すること=手当て」なんですね。もちろん、湿布を貼ることも手当てにあたりますが、このやり取りで使われた「手当て」という言葉には、手のぬくもりを伝えたいこと、苦痛を和らげてあげたいという願いがこめられているのでしょう。私に相談をしてくれた養護教諭は子供たちに人気がある先生です。そんな先生の手当てを受けながら、保健室でゆっくり話を聞いてもらうことで痛みが治ってしまうかもしれません。また、ここで苦痛が軽減しないと判断したら医療につなぐことになります。大事なトリアージの一場面です。これは、ご家庭でも同じですね。

 今月はこのやり取りをベースに、決して新しい話題ではありませんが、外用消炎鎮痛剤の主に塗り薬について再考してみます。

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