5月号の原稿を書いています。この1ヶ月のホットな出来事といえば、新しい元号が発表されたことでしょうか。平成の初めのバブル期といわれていた頃、私は東京で学生生活を送っていました。テレビでもあの時代を懐かしむ映像が流れることがありますが、私にとってのバブルの象徴は、生クリームがたっぷり入った割高な板チョコなんですよね。従来の板チョコが100円だとしたら、200円ぐらいで販売されていたチョコレートがあの当時ありました。とにかく美味しかったですね、チョコレート大好きです。ところが平成が終わろうとしている現在は、カカオを70%以上含む高カカオチョコレートというなんだか身体に良さそうなものが流行しています。人々の食への関心が時代の流れと共に変化していくのも興味深いところですね。
前置きはさておき、ある日、脂質異常症で薬物治療を受けている患者さんから次のようなことを言われました。
「やせなさいって言われているけどなかなか痩せなくてね、このチョコレートを毎日25g、5個食べると代謝が良くなるって聞いたんだけど、お医者さんにカロリー高いでしょって言われちゃった。先生、どう思う?」
カバンからチョコレートを取り出して見せてくださいましたが、カカオ72%と表記されたいわゆる高カカオチョコレートでした。代謝が良くなる、というコメントはおそらくカカオポリフェノールがもたらすものを言うのだろうと思いつつも、私ははっきりとした答えを返すことができませんでした。この方は、健康を題材に扱うテレビ番組を熱心に視聴しておられる方です。おそらく、何かの番組で取り上げられたのでしょう。カカオチョコレートに関する原著論文を読みながら考察してみます。
読者コメント