音楽療法士 佐藤由美子
音楽療法には、臨床診療のスタンダード (Standards of Clinical Practice) というものがあります。この場合、スタンダードは「標準」というより「最善」に近い意味で、最善の音楽療法を行うために必要な事柄を指します。
それが一体何かということは各国で差があると思いますが、アメリカの場合、米国音楽療法学会 (American Music Therapy Association) のサイトに行くと、いくつもの項目が出てきます。
中でも重要なのが全面的なスタンダート (General Standards) と呼ばれるもので、音楽療法を行うにあたって、音楽療法士が行う手順についてです。
簡単に説明すると、8つのステップがあります。
- Referral and Acceptance (委託と受諾)
- Assessment (アセスメント)
- Treatment Planning (治療プラン)
- Implementation (実施)
- Documentation (記録)
- Termination of Services (サービスの終了)
- Continuing Education (継続教育)
- Supervision (スーパービジョン)
「音楽療法をしています」と言ったとき、大抵の人は4の「実施」の部分を想像すると思うのですが、実際にはその前と後に行うことがたくさんあるのです。
今日はその最初のステップである「委託と受諾」についてお話しします。
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