地域医療ジャーナル ISSN 2434-2874

地域医療ジャーナル

2018年02月号 vol.4(2)

タバコが止められない!?ちょっと変わった禁煙のための取り組みを紹介

2018年01月25日 23:41 by 89089314

 タバコは様々な研究によって人体への有害性が示されており、人類の歴史や文化とは切り離せない重要な嗜好品の一つではありながら、世界各国で様々な規制が行われているのは皆様ご存知のとおりだと思います。

 タバコは虚血性心疾患のリスクを高めることが分かっています。これだけ数々の大規模疫学調査で示されていれば、もはや疑いようのないリスクであろうと思います。例えば、1980年から14年間、1万人の日本人の追跡調査をおこなったNIPPON DATA80においては、一日喫煙量が多いほど心疾患死亡率が多く、男性においては一日20本以内の喫煙者の心疾患死亡率の相対危険度は4.2倍、20本を越える場合には7.4倍とされています。1)。近年は受動喫煙の害というものもクローズアップされてきてますね。これもずいぶん前から多くの害が指摘されており、受動喫煙と肺がんの関連を報告した日本のコホート研究である平山研究2)は有名ですし、少し古い米国での報告ですが、受動喫煙は子どもの低体重出生、乳幼児突然死症候群、喘息、肺炎、中耳炎などのリスクであることが指摘されています3)。そういったことがあって、世界的に受動喫煙の防止という観点から禁煙ということが社会的なテーマとして取り上げられることが増えてきたように思います。

 さて、そのようなタバコの害の一つとして、依存性が取り上げられることがあるかと思います。これだけ人体への害が明らかになっているのに、あるいはタバコのせいで既に健康を害しているのに、それでもタバコがやめられないというのは立派なタバコ依存症であるということができるかと思います。「分かっちゃいるけどやめられない」という人はとても多いのではないでしょうか。

 そこで、禁煙を達成するために様々な治療や取り組みがなされているわけです。例えば禁煙治療薬を使うこともありますよね。カウンセリングがうまくいったという話も聞いたりします。色んな自己流のやめ方にチャレンジして、成功されている体験談も目にします。結局のところ、どの禁煙法が一番いいんでしょうか?

 いずれにしても、その人に合った方法ではないとなかなか成功しないだろうということはイメージできるかと思います。しかし、国や自治体、あるいは会社などで禁煙対策を何かやるとしたら、個別の対策をひとつずつ立てていくということは難しく、それなりにまとまったデータとしてのエビデンスが必要になるはずです。今回はそのような禁煙に関するエビデンスのなかで、なかなか面白いと思った取り組みの報告を見かけたので紹介してみたいと思います。

  1. 上島弘嗣. 日循環協誌. 1997;31:231-237.
  2. Hirayama T. Br Med J (Clin Res Ed). 1981;282:183-5. PMID: 6779940.
  3. Health effects of exposure to environmental tobacco smoke. California Environmental Protection Agency. Tob Control. 1997;6:346-53. PMID: 9583639.

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